30日目

 遠い、遠い宇宙には、私の知らない世界が広がっている。毎日、星を見上げては、その広さに、圧倒されていた。私はきっと、ちっぽけな悩みも、捨てられないほどに、うじうじしているような人間なのだろうと思う。ベガ、デネブ、アルタイル、それらの星は、それぞれの形を成し、こんなちっぽけな私にもわかるように、存在証明をしている。くだらないことでふざけていたあの頃は、どこへ行ったのだろう。


 星の下では、私たちは「人間」で、「生き物」で、それは共通で、私たちがそれを忘れてしまわぬよう、星は毎日自らの存在を証明している。


 私たちは、一つの星の中に住んであるのだ。他の星も存在証明をするが、この星も、存在証明をする。私は、きっと歩む力を、この星から貰っている。星は綺麗でも、綺麗事はそう響かない。私はきっと、星に生かされている。星が奏でる「綺麗事」が、私を一番、後押ししてくれる。

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