ハロウィンの夜

第1話 ウィッグ探し

いつの頃からハロウィンが当たり前になったのかしらね。

今年こそは、、、。

私はネットで仮装の衣装を探していた。

どうしても、どうしても、今年。

ウィッグは黒髪のストレートを何個か取り寄せたの。

最近はコスプレする人達がいるから、種類も豊富にあったわ。

だから簡単にお安く手に入ったの。

いざ、被ってみると、

えー？なに？貞子さん？前髪が長いこと。

かと言えば、おかっぱのロング？お笑いは狙って無いんだけど、、。

その中で、少し前髪が長めで斜めに流れてくれるウィッグが見つかった。

これがいいわね。

うん、我ながら似合うと思う。

長い髪に手を滑らせると昔を思い出した。

真っ黒で真っ直ぐな黒髪だったけど、量が多くて嫌だった。

「もっと長い髪を楽しんでおけば良かったわね。」小さなため息が出る。

若い頃にはわからないもの。

そう、わからなかったわね。