35:月の権能
闇の集いから戻った後、わたしは眷属に種を配りながら、
最初は自分の考察から始めた。
・月はわたし、「月」
暗くなると現れる、「夜・闇」
・月の光は神聖、「聖」
・陽の光なき場所、「闇」
・再生の太陽なき場所、「死」
もっとも気になるのは〝月〟だろう。そもそも〝月〟の権能に〝闇〟が内封されているのに、個別でも〝闇〟を持たされている。
ついでに言うと、わたしの〝闇〟は〝常闇〟なので〝闇〟をさらに二つも内封している。単一の『闇』神の実に三倍。
わたしこそが真の闇神と言っても過言じゃあないってうるさいわ!
さて月が光るのは夜だとか暗いからじゃあない。太陽の光を
ってことは、わたしって〝太陽〟の権能を使えるんじゃないかと推測している。
とても安直だけど、この試みには屁理屈、じゃなくて思い込み、でもなくて、えーと、そう閃きが大事なんだよ。
もちろんすべての太陽のすべての権能がなんて烏滸がましいことは言わない。それを言ったら太陽いらんやんね。
残念ながら
兄貴に出会ってしばらく経った頃、興味本位に手持ちの権能の話をしたことがあった。すべてはこの時のため!
さてそのとき聞いた〝太陽〟神の権能は【太陽・生命・炎】だったっけ。そして〝太陽〟は複合でその中には【光・聖・再生】が入っているそうだ。
もちろん正直に教えてくれているとは思っていないが……
くっ! 闇要素一切なしとか!!
続いて〝太陽〟と〝月〟には、それぞれ対となる権能があるのでそれを区分けする。今回の試みでは、持っているか反転したものは対象外だ。なぜってすでに写しているか反射しているからだ。
まず〝再生〟と〝生命〟は〝死〟でしょ。
〝光〟は〝闇〟とか〝夜〟だよね。
〝炎〟は対がないな。
んで〝聖〟は持ってる。少ないけど……
〝炎〟か。
月に温度のイメージはない。
でも月は太陽の反転と考えていくと、死者に体温はないし、熱エネルギーは原子や分子の運動によるものだとすると、死は終わりであり終着つまり停止だ。生命の消失や消滅なんて言い方してもいいかもしれない。
それを【機能】に落とし込むなら、『凍結』と『時』、もっと幅広く『消滅』ってところだろうか。
前から順に簡単で、最後のやつは飛躍しすぎだ。でも出来たらラッキー、やらないよりはやった方がいい。
ヒントが出たので次は試みへ。
こっちは難しい順にやるよー。
うん。『消滅』は言い過ぎた、無理だこれ。とっかかりもないね。
『時』も微妙に無理かな、ただもう少し研究したら行けそうな気もする。そうだな【運命】が創った【機能】を解析させて貰えばとっかかりになりそうかな。
一番の問題は【運命】神の伝手がないことか。
なんにしろ成功例無しでこれ以上試すのはリスクしかない。いまは置いておく。
一番行けそうな『凍結』までダメだったら凹むけど、これは無事にできた。ただこんなしょぼいのはいらない。
〝太陽〟の権能を借りて創ったから、
でも一応成功、次のステップに進む。
今度は『凍結』に手持ちの権能を混ぜて新たなものを創るのだ。
簡単に思いつくのは反転前の〝炎〟と〝聖〟で創れる〝白炎〟だろう。連想元は『白炎』こと二姉さま。
実は先ほど、だましすかしして、二姉さまから『白炎』の【機能】をせしめてきた。二姉さまを脳筋炎神だと思っていたのは遠い過去の話で、実際は一姉さまの最初の妹だけあって結構腹黒い。たぶんなにか感づいたと思う。
まっ別に悪いことやってるわけじゃあないので、堂々とするけどね!
『白炎』の【機能】は分解し解析にかける。ここでは『炎』と『聖』の混ざり具合や比率などを調べておく。
よし実践だ。
〝月〟の権能で太陽を写して〝炎〟の権能を反転されて『凍結』へ。それに〝聖〟を混ぜて……
うぐっできね~!
う~んこれは順番が悪いのかなぁ、反転するともう触れないのかも。
〝炎〟に〝聖〟を混ぜ……
いやどうやってあっちにわたしの〝聖〟を送るのさ。
まず『炎』を持ち帰る。それに〝聖〟を付与……あれぇ? これも駄目なの?
なんでだろう。どうやっても混ざらないんだけど。
ん~
ああ、わかった。これ出力が合ってないんだ。
借りた〝炎〟とわたしの〝聖〟だと当然手持ちの方が強く……、ないだと!? ぐぬぬぬ。 太陽め小癪な!!
仕方ない。〝聖〟も一緒に借りよう。
えーっとあっちで〝炎〟と〝聖〟を混ぜて~よしできた。『白炎』の【機能】完成だ。月は〝写し〟か〝反転〟、このままでも使えるけれど、今回の試みはここからが本番。『白炎』を持ち帰って〝月〟で反転、属性をまるっと逆に。
あれ『永久凍土』? 反転失敗したのかな。
……いや失敗してないわ、これでちゃんと出来てるみたいだ。まっ名前なんてどーでもいいのよ、問題は効果でしょ!
えーとなになに。
『この世界ではすべての生命が死に絶える』
また邪神にしか売れないものを創ってしまったかも……?
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