飛騨牛のすき焼き作戦
「がははは!!!いや面白い!!普段なかなか失敗を見せぬ暁が転けるとはな?ははは!!!今のは電話でむーびーだったか!?で記録しておけばよかったな!!」
「信治さん!?酷すぎません!?カッコよく去る予定だったのに。しかも顔だけですが素顔を晒したのですよ!?あぁ〜恥ずかしい!」
「転けた姿もカッコ良かったですよ!暁様!」
恥ずかしいったらありゃしない。こんなに笑われるとは思わなかったぜ。とりあえずは北条には渡す物、渡したからな。
そのまま俺達は最上に戻りアパッチを格納した後に小舟にて陸に戻る。
「なぁ?小雪?ここにも港町作ってしまわないか?正直めんどうじゃないか?」
「どうでしょう?徳川様に聞いてみますか?」
俺は出発前に偉そうな言葉で飛び出して来たが御機嫌取りも兼ねて例の港町システムを使おうとした。
「那古屋では既にやってる事ですがかなり様変わりはしますが後々の事を考えればかなり良い事と思いますが・・・・」
「うむ。許可しよう。それで北条はどうなったのだ?氏規殿は息災であったか?」
「え!?氏規様とお知り合いでしたか?」
「まあな。今川家の人質時代に隣の家で少し親交があったのだ。今でもたまに文のやり取りはしておるのだ」
やべ〜!あんな偉そうに徳川の使者だ!とか言ってたけどあの中に氏規さんが居れば失礼すぎただろう!?
「徳川様!?ちょっとお腹空いてませんか!?小雪!すき焼きの用意を!飛騨牛の肉セットがあっただろう!?特別に徳川様にお渡ししてさしあげよう!」
「うん?なんだ?というかそんな他人行儀にならなくて良いぞ?」
「いえいえ、一応みんなの手前こうしておかないと!とりあえずすき焼きを食べてください!そして北条との事を言いましょう!あっ、大吟醸もお出ししましょう!」
うん。これで良し!すき焼き食べさせて酒に酔わせて感覚が鈍った所で謝ろう!
「あっ、おっ、あぁ・・・・・」
「父上!?先程渡された徳川家からの薬、城中の骨折していた者に試してみたところすぐ様に治った模様です!父上も薬飲まれますか!?」
「あ・・・お・・・・おっ・・・・」
「ワシは信じるぞ!竹千代がこんな姑息な手で我らを害する事はない!」
「氏規・・・お前の徳川贔屓は分かってはいるが・・・」
「見てみろ!日に日に父上は弱っていってるではないか!最早猶予もない!それに早くに返答をせねば武田上杉は動き出せば早い!まさかあの2将が手を組むなどとは夢にも思わなんだ!」
「だが・・・」
「もう良い!もしこれで父上に何かあれば武田方へ我らも参加する!そして徳川を攻める!次の北条は氏政!お前なのだぞ!」
「うむ・・・・」
ここにきても優柔不断が出ておる。どっち付かずの男は嫌われると言うておるのに何も分かっておらん!ワシが父上に飲ませよう。文によれば蓋?を左に回せとな?これで良いのか!?
カチャカチャ
「お!?空いたな?父上!お飲みください!口に付けますぞ!?そう!ゆっくりでかまいませぬ!」
「お、おい!氏規!?大丈夫なのか!?」
「馬鹿!お前がせねばならぬ事をワシがしておるまでじゃ!お前は父上の着替えを持って参れ!さすが父上!よくぞ全部飲まれました!良薬は口に苦しと言いますがなんとも甘そうな匂いがする薬ですな!?」
しかしこんな飲み薬で中風が治るのか!?こんな薬見た事も聞いた事もないが・・・うん?うんっ!?父上が倒れられてから半身が動いておらんかったが今動いたよな!?
「父上!」
「尾崎か?大丈夫だ。この薬は本物である!」
「義父殿・・・」
「氏真殿か・・・。早川はどうした?」
「兄上!ここに」
「あの馬鹿兄はお前達を追い出そうとしておるがワシに任せておけ。そうはさせぬ。兄弟間で争うのは阿保のする事だ!それが義理であってもだ!」
「申し訳ない・・・俺が父上の如く力があれば・・・」
「義元公のような男はそうそうなれまい。氏真殿はできる事をすれば良い」
「うっ・・・頭が・・・頭が冴えておる!身体も動くぞ!?どうなっておる!?」
「「「父上!?」」」「義父殿!?」
「騒ぐな!他愛ない!これはどうなっておる!?惚けておる間何があった!?」
「実は徳川家から我らを憂いて薬を届けられましてそれを父上にお飲みいただいて、今にございます!」
「夢現つの中で臭い臭い浮浪者のような男が現れたが幻だったか・・・あのような者から薬を渡されるなぞあってはならぬ事だ!」
「父上・・・それが現実にございますれば。使者殿は大変臭いお方でしたがその者が届けて参りました」
「クッ・・・ワシとした事が恩人を臭いと言ってしまったではないか!しかも浮浪者とも言ってしもうた!」
「「「「殿ッ!!」」」「「大殿ッッ!!!」」
「これ!お前ら!騒ぐでない!ワシはなんともない!以前より調子が良いくらいだ!おい!氏政はどうした!?」
「はっ。今父上のお召しを取りに行っております」
「うむ。とにかく・・・おっ・・・」
「父上!足が弱くなっております!暫くは某の肩に・・」
「父上!目が覚めましたか!良かった!良かった!お召しをお持ちしましたぞ!」
「馬鹿者が!謹賀でもないのにこんな物が着れるか!」
兄上・・・状況を考えれば分かるであろう。確かに喜ばしい事ではあるがそれはないだろうに・・・。
「とりあえず皆を集めよ!氏政!肩を貸せ!尾崎!早川!心配無用!義息子よ!お主も心配無用」
「はっ。徳川殿の書状があります。お持ち致します」
「うむ。食事の用意も致せ!」
「はっ!」
「よし!とりあえず薬は飲ませたみたいだな!小雪?氏康さん治ったぞ!」
「(クスッ)良かったですね!」
「ただ思うんだけど何で小田原にはこんなに綺麗な人が多いんだ?」
カチャン
俺は瞬間的にヤバいと思った。そりゃ小雪が『何故小田原にはイケメンしか居ないのですか?』と聞かれればいい気分はしないな。
「暁様?溜まってるのですか?」
「え!?いやいや違う!小雪と比べれば見劣りはするけど何でかな?と思っただけだよ!?ははは!やっぱ小雪とさきさんが一番だよ!当たり前じゃないか!」
「約束してください!他家だろうが関係ありません!今夜は抱いてください!」
「おーい?大橋殿?随分と良い匂いがしておるが・・・いやすまん。失礼をした。大橋殿?理由は分からぬが男と女の喧嘩は総じて男が悪いと決まっておる!こんな良い奥方はそうそう居ないだろう?謝っておきなさい!友として忠告しておく!」
「いや徳川様!?これは違うのです!」
「いや違わん!ワシは奥方が正しいと思う。それがどんな事であってもだ!」
さすが秀吉さんに次ぐプレイボーイだ。なんだかんだ言ってもこの人も大概側室が多いよな!?
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