双子の片割れが何か変
みたらし
1話 転生者な私は負けない!
僕の姉さんは変だ。
時々ボーっと空を眺めてると思ったら、急に笑い始めるし、突然ニヤけ始めるし、ちょっと怖い。
けど、姉さんは優しい。
二人でお菓子を半分こするときは何時も僕にたくさんくれるし、僕がおもちゃを壊しちゃった時は自分が壊したって嘘をついてくれた。
それに、姉さんはすごく頭が良い。
お母さんが言ってた魔法についてすぐに分かってたし、学校のテストも何時も満点だ。
僕は姉さんの事を凄い人だと思ってる。
そんな姉さんだけど…実は少し負けず嫌いだ。
前、僕と一緒にチャンバラをやってた時、僕が全部避けてたら、怒って何回も斬り掛かってきた。
お母さんは姉さんは怒ってないって言ってたけど、僕は少しだけ気をつけようと思う。
けど、やっぱり姉さんは変だと思う。
今だってお母さんやお父さんに冒険者教室に入れてもらう為に色々話してるけど、何を言ってるのかさっぱり分からない。
何か、メリットとかデメリットとか、交通手段やら何やら纏めてプレゼン?をするらしいから、頑張って調べてるみたい。
後、僕の事を見てニヤニヤするのは良いけど、他の人にやるのはどうかと思う。
そろそろ誰かに怒られちゃうんじゃないか、僕はすごく不安です。
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突然だが私は転生者だ。
特に前世で何もしなかった私がテンプレ転生をした訳だが、今世ではなんと双子の弟がいる。
前世では完璧な姉に敗北し続けてきた私だが、今世では弟に完璧な姉ムーブをして見せたい!
そして、あわよくば弟を理想の弟にして逆光源氏的な事をしたい!
何やら冒険者という職業が子供の夢ランキングNo.1らしく、前世で言う所のプロスポーツ選手的な立ち位置を確立しているみたいだ。
ここで私は考えた。
数々の
早速私は両親に教えを乞いた。
ついでに一緒に聴いていた弟は終始ハテナマークを頭上に浮かべていたが、私はこの世界の魔法について何となく理解できていた。
大体は
そして、あの話で一番重要だったのは、魔力量は生まれつき決まっているものの、努力で幾らでも伸ばせるということ。
そしてここで私の転生特典をご紹介しよう。
不遇にしてチート能力の代名詞、【鑑定眼】である!
この能力、本当に地味だがかなり有能で、私の能力や他人の能力、他にもいろんな情報を見ることが出来る。
なんと、極めれば未来まで予測できる……らしい。
そんで、この眼を通してみた私の能力がこんな感じ。
渡良世 結 8歳
力E 守F 速F 巧E 魔C
〈スキル〉
【鑑定眼】
【次元を渡るもの】
因みに同年代の子はこんな感じ。
〇〇 〇〇〇
力F 守F 速F+ 巧F 魔F
〈スキル〉
うーん……魔力を除いてあんま変わらん。
全体的に少しづつ私の方が強いものの、大きく違うのはスキルくらいでステータス自体に大差はない。
この時私は、やっぱり成長期前だからまだそこまでステータスに差は生まれないのかな、何て考えていた。
けれど、その考えは弟のステータスを見て大きく覆された。
渡良瀬 凜 8歳
力D++ 守E+ 速D++ 巧D+ 魔E
〈スキル〉
【天禀】
【鬼人の如く】
【不撓不屈】
【剛力】
強すぎる。
なんだこのステータスとスキルの量は。
このステータスを見て、この前弟とチャンバラをやった時に惨敗した理由がわかった。
このステータスは既に並の大人であれば優に超えている位には強い。
この子は俗に言う天才だ。
ステータスだけで言えば転生者の私なんかよりもよっぽど転生者してるだろう。
けれど、私は才能を前に負けるわけには行かない。
なんてったって、私は人生二週目だから…人生一週目の若造に負けるわけには行かないのだ!
私は天才に絶対に負けない!
そして、今世こそ完璧な姉を演じて見せる!
そう意気込んでいると、突然後ろのドアが開いた。
「…姉さん?何してるの?」
「んー…決意表明かな」
不思議そうに私を見る弟は「そっか…」とだけ言って、話題を変えた。
「お母さんがお昼ごはんだって」
相変わらず言葉足らずの弟の言葉に私は「すぐに行く」と言い、その言葉に満足したのか凜はリビングに降りていった。
「ふぅ――……やっぱ可愛いな家の子は…」
そう呟き、空宙を見上げた。
ほんのり癖があって目元までかかる髪に、女の子と勘違いする程に綺麗な顔立ち…。
あんなの反則よ、反則!
「けど…私の戦いはこれからなんだから!」
決意を新たにさあ、リビングへ向かおう……。
「姉さん…何やってるの…?」
………私の戦いはこれからだ!
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・キャラクター紹介
・渡良瀬結
前世の記憶を持つちょっとオタク気質な女の子。
前世では優秀な妹にコンプレックスを持っており、今世のように明るい気質ではあったが、妹の話になるとちょっと雲行きが怪しくなる。
どうにもこの状況を現実とは思えず、少しだけ地に足が付いていない様な感じ。
天才ではあるものの、弟である凜の事は大切に思っており、その可愛らしい見た目も相まってかなり溺愛している。
その為、彼にバレないよう裏で我慢できず思いの丈を叫んでおり、その姿を凜に見られている事を彼女は気づいていない。
目指すは二週目無双!今世こそ天下を取って見せる!
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・作者から皆様へ
初めましての方は初めまして、みたらしと申します。
現在私はこちらの作品を含め、3つの作品の連載を行っており、どれも宙ぶらりんの状態となっており、まさしく低浮上と言った状態です。
アイデアが思いつき次第筆を執っているのですがどうしても遅筆で更新にかなり間が開くことがございますのでどうかご容赦ください。
さて、これから連載を始める本作についてですが、現在時点で一章の後半まで書ききっており、そこまでは毎日投稿する予定です。
しかし、何処かのタイミングで投稿が途切れる可能性が御座いますのでその都度皆様にお知らせさせていただきます。
このように筆を執るのも遅く、文章が稚拙な問う作品達ですが、皆様に楽しく読んでいただければ幸いです。
当拙作達をどうぞよろしくお願いいたします。
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