悪魔の力を使う聖女は異端ですか?
不是夜
第1話「私は聖女ですか?」
ついに待ち
私は教会で数百人の観客に見守られながらレッドカーペットの真ん中を歩いていた。
今日は聖女の儀式だ。王都ラザニーで聖女が選ばれる。
聖女は何代も王都を
「黒髪とは不吉な」
観客の一人がささやく。
そう、私の髪色はあらゆる光を飲み込む闇のような黒だった。
歴代の聖女様は金、銀など明るい色の髪だった。不吉といわれている黒髪が聖女になることなど
そんなことを考えているといつの間にか神官長の前まで歩いていた。
私は
「汝、聖女ならば今こそその力を示せ」
白長いどこに口があるのかわからないひげを生やした神官長が告げる。
私は体内の魔力を集める。
光魔法の影響で身体が光り輝く、本来なら。
しかし、私の体から光どころか真逆の
周囲の観客達はどよめき、悲鳴を上げるものもいた。
「魔女め‼ よくも皆を謀りおって。衛兵、速やかに排除せよ」
神官長が怒声をあげるとともに、衛兵たちが
逃げようにも出口は衛兵に
ガシャン、ガシャン。と教会の窓が次々と割れていく。
割れた窓から雨風がなだれ込んでくる。
観客達はパニックに陥った。
私は今しかないと思い、観客達に
うまく教会を出ることができたが大雨のせいで視界が悪い。
どこを走っているのかわからないまま、とにかく町から離れるように逃げた。
いつの間にか
私は木にもたれかかり息を整える。
どうしてこんなことに、私は訳もわからず
ここには、助けてくれる家族や友達はいない。
「誰か助けて」
そうつぶやくと、周囲が少し明るくなる。
光の指す方に目をやると、ランタンを持った衛兵だった。
「いたぞ!」
衛兵の
呼吸が乱れ、足下がおぼつかなくなってきた。
意識がもうろうとしながらもあるものを発見し、私は足を止めた。
目の前には
視界が悪く、後数歩で落っこちるところだった。
私は崖を背に走り出そうとしたが、進行方向に嵐の中でも目立つ金髪の男がたっていた。
男は衛兵のような
ライオス・エメラルド。
最年少で王国の悪魔退治を専門とする四騎士に任命される実力者だ。
田舎娘の私でも知っているくらい有名だ。
ライオスは私に少しずつにじり寄り、剣先を私に向ける。
どんどん私は崖に追い詰められていった。
「いたぞ、ライオス様のところだ」
草木を分けながら衛兵達が現れる。
「神のご加護を」
ライオスがつぶやき、剣を私の体にめがけて振るった。
そして私の意識が途切れた。
悪魔の力を使う聖女は異端ですか? 不是夜 @fuzeya0918
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。悪魔の力を使う聖女は異端ですか?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます