第34話 ハーフオークはゴブリンキングと戦う
応援コメント、☆、ありがとうございますっ☆
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「リュー兄ィ、あれ☆」
見えたのはゴブリン。
ただし、普通のゴブリンは背が1.2メートルほどなのに、そいつは俺(2メートル)よりはるかにデカイ!
そいつは俺たちに気が付くと、持っていた大きな槍を投げつけてきた!
うなりを上げて、恐ろしい速さでディー目掛けて飛んでいく!
ゴキン!
俺はメイスを振り下ろし、その槍を撃ち落とした。
ふうぅ。冷や汗かかせやがって!
「ニイヤン、おーきにや。」
ディーを殺そうとしたゴブリンキングに沸々と怒りが湧いて来た。
「殺してやる!」
のっそりとデカいゴブリンが3匹、俺たちの前に進み出てきた。
親衛隊か?
「ワイもやるで!」
「周りの雑魚にも油断するな!」
親衛隊ゴブが振り降ろした棍棒を俺はメイスで受け止め、左手のバックルで思いっきり殴ってやると、親衛隊ゴブは顔をべっこりとへこまして吹き飛んでいった。
「次はお前だ!」
ゴブリンキングが大きく息を吸うと、その筋肉が一回り大きくなった!
「轟!」
キングが吠えると空気がビリビリと震えた。
化け物め!
「へへへ!コイツを倒したら俺らが英雄だ!」
40歳くらいのオッサン6人パーティが雑魚ゴブリンどもを粉砕して、俺より先にキングに襲い掛かった!
先を越されてしまった!辺りを見てみれば、キングを狙う冒険者がちらほらいた。
キングは並みの倍の大きさの長剣を両手で思いっきり振った!
重戦士の盾が、その体も、バターのように両断され、さらにその隣の戦士まで両断していた!
マジか!
城壁に集められたハズの魔術師がキングに向かって魔法を放った!
「ファイアーランス!」
炎の槍がキングの腹に突き刺さり、その体が燃え上がった!
が、キングは燃えたまま、平然と動き出した!
「バカな・・・」
呆然とした魔術師の首が飛んで、残ったオッサンパーティは悲鳴を上げて逃げ出すと
キングが襲い掛かろうとする!
「ごらぁ~!」
吠えると、キングがオッサンパーティから、視線を俺に向けた。
うおっ、怖っ!
その間に、ディアナとディーが親衛隊ゴブを倒していた。
「よし、俺が前に出る。ディアナは隙を見て、攻撃。ディーは、俺たちの後ろを守ってくれ。」
「「了解!!」」
俺はキングの前に出て、思いっきりメイスをぶん回した!
ガキン!
うおっ!
キングのパワーに弾き飛ばされた!こっちへ帰ってからは初めてだ!
やはり、強い!
キングと何合も打ち合うが、パワーは負けていて、その巨大な長剣を必死でメイスとバックルで逸らしていくが、防戦一方だ!
「死ね☆」
気配を消していたディアナが横からキングを斬りつけた!
キン!
甲高い音が響いたけど、キングには傷一つ、付いていない!
「うそっ!」
驚いて動きが止まったディアナにゴブリンキングの巨大な剣が振り下ろされる!
「ゴラぁ~!」
俺はメイスでその剣を逸らしたが、その代わり、キングの豪快な蹴りを食らってしまった!
「ぐはあぁ!」
少しだけ打点をそらせたので、倒れてもすぐに起き上がる。
くそっ!化け物め!
「ニイヤン、だいじょぶか!」
「おう、ありがとう。」
ディーの回復魔法で、ダメージは無くなった。
倒れた俺に向かって、群れなしてやってきた下っ端ゴブリンどもを、ディーとメイスを振り回して撃滅した。
「ニイヤン、後ろは任せて!キングをはよ、やって!」
「リュー兄ィ、少し力を貯める☆」
ディーとディアナの言葉に覚悟を決めてもう一度、俺はメイスとバックルで攻勢に出た!
「おおおぉ!」
だけど、キングのパワーに押され、また、たちまち守勢に回ってしまう!
ヤバい!
一瞬、棒立ちになってしまったところを、ニヤリと笑ったキングが長剣を構えていた!
あっ、死んだ!
キン!
キングの目のすぐ傍に矢が当たった!
傷はなかったものの、驚いたキングに隙ができて、態勢を整えなおすことができた。
アレッタ、ありがとう!
キングが憎々し気に城壁を睨んだ。チャンス!
俺はダッシュすると、横降りされた長剣をメイスで逸らし、キングの懐に飛び込んで、バックルをキングの顎に叩き込んだ!よしっ!
「ぐえっ!」
が、キングに腹を蹴られ、また俺は吹き飛んでいた。くそっ、相打ちか、化け物め!
立ち上がり、またキングに向かってダッシュすると俺の目の前に長剣が降り降ろされる!
駄目だ!
キングの剣が突然、勢いを失って方向を変えた!
助かったけど、なんだ?
キングのその左手が両断されている!ディアナの必殺の居合が一閃したんだ。
「ごあぁぁ!」
「きゃっ!」
怒声をあげ、右手だけで長剣を振って来たキングの攻撃をディアナはそのサーベルで防いだけど、あまりの威力に吹き飛ばされてしまった!
「ディアナ!ディー、助けろ!」
俺はメイスを両手で握って思いっきりフルスイングした。
キングの長剣とぶつかったが、ヤツは片手なので俺が圧倒的に優位だ!
「よくもディアナを!殺してやる!」
俺は怒りに任せてメイスを一撃ごと、最高の力を込めて振り続けた。
「ニイヤン、ディアナは大丈夫や!」
「でも、死ね!」
キングが巨大な剣を、俺はメイスをフルスイングしたが、俺のメイスがキングの脇腹に先に当たって、キングはぶっ倒れた。
俺は倒れたキングに向かって大きくジャンプして、キングの右目にメイスを突き刺した!
「ごががががががぁ!」
なのに、キングは凄まじい怒号を上げ、巨大な剣を凄まじい勢いで振ってきた!
ゴキン!
俺はバックラーでそれを根元で防ぐと、キングの巨大な剣は力なく地面に落ちて、ようやくキングは動きを止めた。
「キングを殺ったど~!ゴブリンキングを殺したのは『ハーフムーン』のリュークや~!」
ディーがバカでかい声で叫ぶと、兵士や冒険者から大歓声があがり、言葉が分かったのかどうか、魔物どもは明らかに動揺していた。
勝ったな!
ほんの少しだけ、ホッとした。
「ディー!」
ディアナの警告が不吉に響いた!
振り返ると、倒れているハイゴブリンからディーに向かって矢が放たれた!
ディー!
すべてがゆっくりと見えた。
守るんだ!ディーを!だけど、俺もそのゆっくりとした世界の住人だった。
ディーを助けたいのに、近くまで行けない!ディーに届かない!
矢を放ったハイゴブリンが射殺された。
ようやく、ディーが矢に気付いて大盾に隠れようとする。
だけど、矢の方が早く、ディーの頭を貫いていって、ゆっくりとディーが倒れた!
「「ディー!!」」
俺とディアナは悲鳴をあげて、なぜか、四つん這いになって倒れたディーに近づいて行った。
「ディー・・・」
「あ~、びっくりしたわ!」
ディーが目を白黒させながら起き上がった!
「怪我は?大丈夫?」
ディアナがディーのアフロをかき分け、頭のてっぺんを確認する。
「ヤラれた!髪が!何本か矢にちぎられたわ!あ~、ビビってもたわ~!にへへ!」
「「ディー!!」」
俺とディアナはディーに力いっぱい、抱き着いた。
「痛い!痛いって!ニイヤン、痛い!
あっ、ニイヤン、後ろ、後ろ。」
「邪魔!」
後ろから襲い掛かって来たゴブリンどもをメイスで吹き飛ばした。
三人揃って照れ笑いしながら起き上がる。
辺りを見渡すと勝敗は決していて、魔物どもは逃げ出し始めていた。
「これからどうしよ?」
「ディーのせいで、闘志が無くなっちまったわ。」
「うんうん☆」
「ワイのせいにすなや!」
「それよりも、そろそろ、ディーの回復魔法の出番だな。」
「よっしゃ!ついに、ワイの回復魔法が火ィ噴くで!」
「回復魔法は火を噴きません。」
「だから、ニイヤンは細かいこと言いなや!ほんま、ケツの穴の小さい男やで。」
「いやいやいや、俺のケツ・・・はもういいか。よし、ケガ人を助けよう。」
「ディー、頑張ってね☆」
「よっしゃ、任せとき!」
俺たちは笑顔でハイタッチして、今度は人を助けるために動き出した。
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