日本全国 旅の記憶

武藤勇城

一、学生時代 ~修学旅行~

 自分は海外旅行の経験はありません。行こうと思った事もありません。その代わりという訳ではありませんが、国内旅行であれば、北は北海道から南は沖縄まで、各地を訪れました。今回は、そんな「日本全国を巡った旅の記憶」を、一つ一つ、覚えている範囲で掘り起こしてみようと思います。


 まずは幼少期と言いたいところですが、ほぼ記憶がありません。父の運転で、どこか家族旅行に行ったり、誰だか知らない親戚の家に行った記憶はありますが、どこで何をしたのか分からないため割愛します。小学校以降の、学生時代の話から進めましょう。学生時代の旅行と言えば、同学年のみんなと行く遠足・林間学校・修学旅行でしょう。ただ、小学校だったか中学校だったか、といった細部に関しては曖昧です。


 小学校では泊り掛けの修学旅行はありません。日帰りの遠足で、覚えている範囲で二度出掛けたと思います。もしかしたら三度あったかも知れません。埼玉県『吉見町』に『吉見百穴よしみひゃくあな』という古墳あります。バスか電車で行ったと思います。閑散とした場所で、周りには何もありません。小山、又は丘のような場所に、数百の横穴が空いています。大きな入り口は横穴同士中で繋がっていて、ちょっとした迷路です。小さな道は所々行き止まり、未発掘で通れません。夏の暑い時期だったと思いますが、洞穴の中は涼しく、冷んやりとしていました。


 二つ目の記憶は、近場の沼に歩いて行った事です。沼の近くに運動公園があり、そこでサッカーの試合をしました。学校行事ではなく、小学生の頃にやっていたサッカー少年団で行ったと思います。サッカーの試合より、沼の周りを探検して遊んだ時間の方が長かったような気がします。そう言えば、現在の横浜Fマリノスの前身、日産サッカークラブの練習場に行った事もあります。少年サッカー教室みたいなもので、親に連れられて行きました。当時はJSL日本サッカーリーグという、Jリーグ開幕前のセミプロでした。コーチ役に水沼貴史氏などがおり、直筆のサインを貰いました。正直、その時の自分は全く興味無かった、というより誰も選手を知らなかったのですが、親にサインを貰って来るよう言われ、列に並んだと思います。今も実家の押し入れに仕舞ってあるでしょうか。


 三つ目の記憶は、隣県の『榛名山』に行った事です。群馬県の北部、バスで一時間半ほどでしょうか。もしかしたら中学校だったかも知れません。キャンプファイヤーなどをした記憶があり、泊り掛けだったとしたら中学生時代だと思います。飯盒炊飯をして、カレーを作りました。自分は味噌汁担当だったのですが、出汁の素を忘れ、薄くて味のないスープになってしまいました。


 中学校に上がると修学旅行があります。これも記憶が曖昧ですが、中・高でそれぞれ『京都・奈良』と『北海道』に行きました。多分中学校の時に京都・奈良、高校時代に北海道だったと思います。京都・奈良は、神社仏閣巡りが主目的で、中学生の少年には正直退屈です。今なら楽しめるでしょうが、子供が遊べるような場所ではないかと。『金閣寺』『銀閣寺』に行った筈ですが、ほぼ記憶になく、夜中にみんなで遊んだり、旅館の温泉や食事を楽しんだ記憶ばかり。生八つ橋をお土産に買って帰りました。


 北海道旅行の方が記憶が鮮明です。なので、やはりこちらが高校時代でしょう。寝台列車に初めて乗って、寝ている間に到着しました。『時計台』に行き、歴史好きな友達と『五稜郭跡』で土方歳三の銅像を見て、『ラーメン横丁』で味噌ラーメンを食べました。夜中、友人が桃の缶詰を丸ごと持って来て、汁まで全部飲み干していました。その後、彼は糖尿病と診断され入院しました。病院では暇だろうと、手書きの自作クイズをお見舞いに持って行きました。思えばあの頃から自分は、クイズなどを考えるのが好きな少年だったようです。親戚に頼まれた白い恋人をお土産に買って帰りました。


 小学校の頃、友達の父親に連れられて近隣のスキー場へ行きました。一泊か二泊だったでしょうか、スキー初体験でした。初日は初心者講習のようなものを受けて、慣れてきた二日目に早速ケガをしました。ちょっと無理してリフトで高所へ行き、転んで足首を捻挫。全治まで数週間から数ヶ月、松葉杖生活でした。


 小・中学生の頃、母親の友人が『坂戸市』に住んでいて、居酒屋を営んでいました。そのお店周辺で、『お釈迦様』という祭事が毎年子供の日に開催されます。メイン通りとお寺の境内に屋台が立ち並び、子供心に楽しいイベントでした。定番の食べ物やお菓子を色々買って貰いました。


 これも小学校の頃の話です。父親と『所沢市』にある『西武園球場』で、西武ライオンズの試合を観戦しました。生まれつき目が悪かった自分は、遠くの小さなボールなど全く見えません。何をしているのか分からず、とても退屈でした。買って貰った青い帽子はお気に入りで、毎日被って外で遊び回っていました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

2024年12月27日 12:00
2024年12月30日 12:00

日本全国 旅の記憶 武藤勇城 @k-d-k-w-yoro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画