第2話
中学2年の夏。周りの皆が進路を考え始める中オレ、柳詩音は1人学校の屋上に居た。
青空一面広がる空の下で気持ち良く地面に寝っ転がって空を眺めていると遠くの方から『 しーーおーーんーー!』とバカでかい声が両耳に入って来る。
声の主は、同じクラスメイトの藍沢愛茉だ。藍沢は幼少期の頃から家が隣同士の付き合いで彼女の親とオレの親が非常に仲良しな事から良く互いの家を行き来し合っている。世間一般的に言う幼馴染的なやつだ。過剰なほど世話焼きで口うるさいだけでなく自分勝手、ワガママな上に超が付くほどお節介。だからオレは正直言って苦手。
「藍沢、お前相変わらず声デカすぎ。それと今はオレにとって大事な時間なんだから絶対邪魔すんなよ。」
「 はー!?どこ探しても居ないから仕方なくあたしがこうして探しに来てやったんでしょ!」
出た、いつものあたしが仕方なくやってあげましたーみたいなやつ。
「またそれかよ。つか、毎回それ言うけど頼んだ覚えないし、はっきり言ってマジで迷惑。」
「なにその言い方!信じらんない!もう絶対何かあっても探しに来てやんないんだから!詩音のばーか!」
そう言って藍沢は屋上を駆け足で出てった。いくら苦手とは言えども言い方ってもんに気を付けなきゃいけないことは頭では分かってるんだけど、どうもここ最近加減が出来ずついぶっきらぼうな言い方になってしまう。
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