すすきのアウトサイドパークッ!!
小鳥遊咲季真【タカナシ・サイマ】
各話予告(随時更新)
各話予告
第一話 白黒バイナリー・クリック
中国人の姉妹から父親を殺してほしいと頼まれた。街のオーガナイザー茨戸創はガキ共のトップ、IT会社の社長兼会長の友人雁来成哉から話を聞く。どうやらお金のトラブルらしい。街一番の裏稼業、氷永会で幹部を務める友人のタカも参戦。バイナリーオプションのマネーゲームに投じられた奨学金。人外、魔法、炎が入り混じり混沌とする夜の街で金と欲望の社会に対峙する物語第一話。
第二話 死ぬ前に読んだ小説
妖刀使いが娘の親になった。今後は俺の代わりに面倒を見るという。冗談だろ?
俺の娘は正確には俺の娘ではない。名前もそのへんの樹から取ってつけたようなものだ。特別学校に、地域の子供会にお世話になっていて、俺は時々その様子を見に行くことしかできない。社会の歪によって、望まれないで生まれた子供に本当の親はいない。そんな彼女に、親代わりができた。名を桜木坂という、刀だ。
妖刀使いの歴史と、ひとりの女の子がその刀を手にするまでを語る第二話。
第三話 自己責任チルドレン
子供会の補助金が行政から打ち切られた。
近隣住民から非行少年少女のたまり場だと非難を浴びたことが原因。補助金がなくなったことで施設は苦渋の決断で値上げ、有料化した。貧困に苦しみ、身を寄せていた少年少女たちはそのお金を支払うことができずに去らなければいけなくなった。
この状況に情を寄せた施設の職員がガキ共のトップセイヤに連絡。社長の命令が下り、俺が動くこととなった。調べると親は自己破産、ホームレス、豪遊、ネグレクト。好き放題だ。小さな子供たちは普通の生活を夢見る。きちんと勉強したい。学校に行きたい。友達と別れたくない。美味しいものが食べたい。そんなあたり前のことも叶えられないなんて、無念。毒親なんて言葉が流行ったこともあったが、それは俺にとっても耳に痛い話。娘の久瑠美を妖刀使いに任せている俺だって、これから糾弾する予定の大人たちのことを言えた立場じゃない。
社会から邪魔者扱いされ、隅に追いやられる子供たち。貧困とその親の素顔に立ち向かう第三話。
第四話 第三次すすきの抗争
氷永会を名乗る集団が暴力事件を起こした。もちろん名前だけの真っ赤な偽物集団。被害者は創成川リバーサイドボーイズの若者。氷永会の名前が表に出た暴力事件に警察も成哉も動き出す。ガキ共成哉、氷永会タカが対峙。互いに神経質になって、裏では抗争寸前に。両サイドの味方、オーガナイザーは板挟みに。さて、どうする?
一触即発の緊張状態がすすきのを襲う第四話。
第五話 すすきのアウトサイドパーク
連続ひったくり事件が起きた。しかも交番の目の前で嘲笑うように、次々と。すすきの周辺は厳戒態勢に。街のオーガナイザーは交番勤務の昔馴染みのおやっさんから依頼を受け、リバーサイドボーイズたちに情報はないかと声を掛け、調査を始める。すぐにその裏には組織的な犯罪グループがいるようだとわかり……。すすきのアウトサイドパーク周辺を舞台に騒動が巻き起こる激動の第五話。
第六話 混沌非存在
妖刀使いはこの街に突如現れた〝非なる存在〟を追いかけていた。人の目には見えず、街に大災害として災厄をもたらそうとしていた。苦戦する妖刀使いはエスオーエスを俺に送った。茨戸創は未知の生物に対峙することに。
同時刻。魔法少女、ルルシュ・リラ・ルシエも〝非なる存在〟を追っていた。非存在。未知の存在の討伐という同じ目標を共有したその夜、街の異能力者が勢揃いする。思いと思惑が交錯し、神出鬼没正体不明の非存在が秋のすすきのを駆け巡る第六話。
第七話 合法ドラッグ待合室
無差別殺傷事件が起きた。場所は薬局。小さな薬局ではなくある程度広いところだ。大学病院のような超大型ではなく、駅の近くのパン屋があったりする。
被害者にガキ共のグループ、ガールズがふたりいたとセイヤから連絡が来た。犯人は依然逃走中。警察も必死になって捜している。つまりこの街一番のオーガナイザー、俺様の出番というわけだ。
皆の期待を存分に背負い、ぶんぶんと街一番優秀な腕を回し、意気揚々と見慣れた街に出かけた。待ち受けていた悪意など想像もできずに。殺意と夜の東側に対峙する第七話。
第八話 盗撮jkアイアンボトム
高校生の女の子が盗撮被害に遭った。無料の占いを餌に、個室で占いに夢中の若い女の子のパンツを椅子の下に仕込んだカメラで隠し撮り。手に入れた動画像をネットで販売、ボロ儲け。被害少女は同じ絵画教室に通っていたリバーサイドガールズに相談し、その相談が俺に回って来た。盗撮占いグループを捕まえて金を巻き上げようと調査を始めるが、ただの低級犯罪組織ではないことが分かってきて。
金と欲望と悪と裏社会。繰り返される負の連鎖が街を大きく巻き込んで物語を進展させる。甦った激戦海域で戦う第八話! (08peep_code/jk:Ironbottom
第九話 気候変動異常気象憂慮詐欺
ひとりの高校生が特殊詐欺の被害に遭った。高齢者が狙われることが多いとワイドショーのいいネタに、エサになっているこの犯罪だが、若者が被害に遭うことはあまり聞かない気がする。俺はよく目の当たりにしているけどね。
いつの時代だって弱い者を食い物にする人間はいる。いつの時代も許すことはできない。被害者の高校生は純心で、環境問題を日々考えて憂いていた。学校の授業だけでは飽き足らず、環境保全活動なんとか団体に参加して募金活動をするほど熱心。しかし悲しきことに、一生懸命になっているときほど自分が見えずに、周りが見えなくなっていることなんてのはよくある話。詐欺師に騙されて借金地獄になった。
これは事件も相手も自分も勘違いした俺が完全敗北したときの物語。あらかじめ言っておくけど結末はどう見てもバッドエンドだから、読みたくない人は飛ばしてくれ。無様にやられる姿を見たい物好きは最後まで楽しんでくれよ。
惨敗、完敗、完全敗北、最凶の詐欺師が微笑む第九話。
第十話 金銭恋愛マッチング、待機中(1/4)
オンラインゲームで対戦相手が見つかることをマッチングという。辞書的に言えば、同一時間に同一ゲームをプレイすること。また、プレイできるようにプレイヤー同士を引き合わせること、みたいに書いてあった。友達とゲームをやる、格闘ゲームみたいな対戦ゲームをやると休み時間に話が決まればロクヨンやゲームキューブを持ってる友達の家にみんなで押しかけるのが少し前の日常だった。おやつなんかを持ち寄ってな。イマドキはインターネットを使ってゲームをすればいい。お気に入りの自分の部屋から出ることなく協力、対戦プレイだ。友達の家に遊びに行く文化が廃れちゃうのは、それで悲しいけどね。
大人も子供も無作為にマッチングする世界でのトラブルはどれも浅漬けのきゅうりみたいな味しかない。街のオーガナイザーがわざわざでるまでもない。しかし大人のマッチングが関わるとなれば話は違う。恋や不倫や人間関係のもつれみたいな問題なら、それはよく漬かったたくあんみたいにおいしいぜ!
しかし話を聞いてみたらなんとゲームでマッチングした相手とリアルでマッチングしてそれが友達に恋人に発展マッチング(?)を目論む男女の駆け引きだって!? えっ、オフ会はイマドキの常識だって? おじさんはもうついていけない。
いつの時代も恋も愛も金が全て。ゲームのコントローラーを握りながら出会いを探しに行く第十話。
〉閑話
第十一話 青時雨、魔法少女と、運動会
今年の久瑠美の運動会の日程が決まった。今度の日曜だ。妖刀使い、桜お姉ちゃんも張り切っている。しかし、カメラがない。そこにやってきた魔法少女ルルシュシュ・リラ・ルシエ。魔珠を賭けたタイマン勝負を条件に専属カメラマンに。めちゃくちゃいいカメラを持っていたからこれが大助かり! 高画質の写真で娘のアルバムが作れるぜ。
妖刀使いと魔法少女とオーガナイザー。主役は娘。この世とは思えない組み合わせで運動会を盛り上げる十一話。
第十二話 さあ無敵だ、これが最後の恋
甘酸っぱい恋はお好みかな。今も昔も「甘酸っぱい恋」は聞く言葉だからきっと若い子からいい大人まで自分事ではない誰かの「甘酸っぱい恋」に夢中なこと間違いなし。しかしこの言葉、辞書で調べると「うっとりと快い気持と感傷的な気持が入りまじって、やるせない感じ」とある。なるほど。やるせない、か。ちなみにやるせないは「思いを晴らすすべがない、せつない、施すすべがない、どうしようもない」とある。つまり甘酸っぱい恋は叶わなかった恋、片思いもしくは両思いでも成就できなかった恋となる。だからタイトルに甘酸っぱい恋とつけた瞬間に出オチ、ネタバレ、結末まるわかり。まあ、最近の映画も漫画も小説もラノベも小説も漫画も映画もタイトルから物語の内容や中身が想像できないと手に取ってもらえない情報飽和情報大正義社会だから、この言葉はきっと尚の事使い勝手がいいのだろうと思ったよ。
それにしても単語ひとつのタイトル、「潮騒」とか「告白」とか「壁」とか「すすきのアウトサイドパークッ!!」みたいな表題の小説は時代遅れなのかな。あらすじみたいなタイトルを読むだけの人間より、言葉の裏側を想像できる人間でありたいと思う。
さて、今回も予告編までの前ふりが長い予告編。第十二話は茨戸創くんの恋のお話。実は前々から真剣に娘のためにお母さんを迎え入れてあげたいと思っていた。妖刀使いは親代わりはできても母にはなれない。桜お姉ちゃん以上の存在にはなれない。だから、本当に久瑠美のことを思うのであれば、俺よりも娘を大切にしてくれる人を探したい。まあ、俺にガールフレンドができなかった理由は女の子よりトラブルを毎日追いかけていたことなんだけどね。
だけど人生分からないもの。そんな俺がある日ふと出会った女の子に告白されたんだ。「好きです! 付き合ってください!」って。嘘じゃない、ほんとほんと。
遊びの恋はいらない。さあ本気に無敵だ、これが最後の恋。ハニーハニーで甘酸っぱい恋の第十二話。
表題:スピッツ、ハニーハニーの歌詞より
第十三話 雪暗て灰雪、慮外の爆散&自己中配信中
修学旅行生が雪まつりの市民雪像をぶっ壊した。悪ふざけがエスカレートした結果だとか。
市民雪像は抽選に当たった有志の方が講習を受けて作ったもの。参加費を取られることもバイト代が支払われることもない。誰でも参加できるが、誰もが抽選に当たるわけではない。そんな市民の皆さんの力作が毎年並び、ずっと国内外の人々を楽しませてきた。作った市民にとって今回の事件では、怒りというよりやり場のない悲しみがただ残るだけだった。
この事件は巷でも、ネットでも話題になった。これにより市、雪まつり運営、修学旅行の中学生、当該者の所属している学校、いろんなところに非難と悪口が殺到した。特に現場の警備体制や運営の対応を糾弾する人が後を絶たず、運営は好き放題にヤジを飛ばす外部の人間どもの対応に苦慮していた。だからといって、ここで該当の中学生を犯人として突き出して晒し者にしようものなら、今度は雪像を壊したぐらいでそんなことするなんて可哀想だと非難を浴びること間違いなし。そう、外野にはたかが雪像だとしか思われない。
俺はずっとこの街の市民だから、行かなくても良いかなと毎年思っているのになんだかんだ文句言いながら毎年雪まつりに足を運んでいる。そのついでに現場を見にいったのだ。そこで運営の人がこの街一番の有名人である俺を見つけて、声を掛けた。運営側からのエスオーエスをこうして正式に受け取った。
時間軸としては第三次すすきの抗争の直後
これは伝統を守ってきた報われない努力と、仲間内の声を無視できなかったガキと、それをおもちゃのように突如主張を始めた自己中心配信者を巡る話。できれば平穏に楽しく楽しみたい雪まつりの二月。雪暗を見上げ灰雪を待つ第十三話。
第十四話 雁来成哉殺人事件
「創、頼みがある。俺を助けてくれ」
殺人事件が起きた。
「犯人だと思われている。そう簡単には覆らないだろう。助けがいる」
今のところ、この電話だけが全てなので、全貌が見えない。
「幸いにも俺には多くの仲間がいる。そのうちのひとりがお前のところへ行く。本当に頼めるのは創、お前だけだ」
電話が切れる。いつもの冷気は感じられない声だった。
目的地に着くと成哉の言う人間はすぐに現れた。
それは俺の記憶媒体が生涯忘れ無いであろう男だった。
「久しいな、オーガナイザー。私のことは覚えているかな」
最凶の詐欺師、死屍累々と殺人事件に挑む。世界変革の時が鳴る前に助け出せ! 真冬の旭川が舞台の第十四話!
第十五話 vsすすきの代理戦争・夏の陣
2024年8月22日。
「創くん、ついに決着をつける時が来たね」
「娘よ。俺はこんな形で敵対したくなかったよ」
「キエン・万丈!」
「いつも熱苦しいのよ、兄さんは」
「創成川リバーサイドボーイズに栄光あれ!」
「創成川リバーサイドガールズに栄幸あれ!」
「決着をつけるわよ、妖刀使い!もう逃さない!」
「まったくしつこい人ですね。息をつく暇もない。毎夜戦うのは私も疲れます。では、こうしましょう。代わりの者を立てるのです。代理戦争です。私も、そなたも自分の代わりに戦う者を選ぶのです。一人ではなく、複数人自分の味方を選んで戦う。もちろん、我々も大将として参戦する。どうでしょう」
「臨むところよ!」
こうして始まった魔法少女と妖刀使いの代理戦争は「すすきの」の街全てを巻き込んでいく。さらに新登場!戦国無頼一刀流『景久弥五郎』!
運命の代理戦争大決戦!出会え!出会え!皆の健闘を祈る第十五話!
第十六話 札幌Black bites/歌う置き配泥棒
置き配は、今や日常に溶け込んで当たり前になっているサービスのひとつ。お陰で時間指定をして、正座でインターホンを待つ必要は無くなった。好きな時に好きな時間に受け取ることができる。物流の人手不足と需要が爆増を続ける世の中。再配達が減るのは、一助になるのではと安易ではあるが思う。
置き配はとても便利で有益なサービスであるが、しかしどんなところにも悪いことを企む人間はいる。宅配ボックスがあれば心配無いが、玄関扉前などを指定するのは珍しくない。置き配泥棒はそこを、その一瞬を狙う。
一方、〝ブラックバイツ〟という暴力強盗窃盗団が〝すすきの〟の街を震撼させていた。個人宅にも営業中の店にも問答無用で押し入り、金を強奪。住人が抵抗すれば全員殴り殺す。凶悪卑劣な犯罪。噂によるとその一部が氷永会と衝突したという。互角に戦えたっていうから驚き。ヤクザ相手に負けないとは、なかなかやるな。
ボーイズも被害に遭っていたらしく、憤った成哉から俺に指令が下った。窃盗団を潰し、目の前に連れて来いと。氷永会も似たようなことを言っている。出番だな。
これは大きな犯罪に隠れた小さな犯罪の話。星空ばかり見ていると、足元の百円玉には気づかない。小さな幸せを感じるのはどっちだろうな。
流れ星と流れない星を見上げて数える時間帯に、ひとりで黒いラーメンを食す第16話!
第十七話 卒業詐欺と白翼のホワイトファルコン
オンラインアイドルグループ、☆奏でる白の翼☆は会いに行けないアイドルとして、ごく一部の人間に好かれているという話を聞いた。なるほど、リアルなライブを一切行わずに動画投稿や配信だけで活動するのか。回収できるかどうかわからない高額な箱代も経費もいらない。無名でも新人でも売り出せる環境がある。地道な活動を積み重ねる事に変わりはないが、事務所などの後ろ盾がなくても活動できる。うってつけの環境ってことか。
その☆奏でる白の翼☆の一人が卒業した。タカの話では卒業詐欺だと糾弾されているとか。そして卒業したその女の子は氷永会の賭場利場で仕事をしているって。何で?
今回は欲が入り乱れるトラブル。金と地位と名誉。画面の向こう側で白の翼を奏でて歌って踊る。苦境のアイドルを救い出す第十七話!
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