10.ねえわたし被害者だよねなんでここ取調室朝まで聴取

 劇団の研究生時代、卒業公演の稽古体制にはいってまもなくのころ通り魔強盗に襲われましてね。頭をなにか(警察いわくおそらくは木製のもの)で殴られて救急車で搬送されたわけですが、ひとまず入院の必要はないってことで、現場検証に立あわされたあと事情聴取のために警察につれていかれました。


 後頭部を二回か三回殴打されてたので、入院の必要はないといわれても頭はガンガンしてます。あと数ミリずれてたら死んでたか重い後遺症が残ってたかもしれんという、きわどい場所でしたからね。


 終電帰りで襲われたので、たぶん警察についたのは夜中の二時とか三時とかだったかな。

 しかしその夜の警察署は大賑わい(?)だったようで、落ちついて話ができる部屋があいておらぬ。とりあえず入り口のドアはあけておくから取調室で話をきかせてもらってよろしいかと、ほとんど問答無用で取調室にご案内。


 こっちはもうなんでもいいから早くおわらせて寝かせてくれって感じだったんですが、結局そのまま朝まで取調室で過ごすことに。

 頭痛いし、睡眠不足で朦朧としてるし、こっちは被害者のはずなのになんか担当刑事は高圧的で見くだしてくるし、って思いだしてたら今さらまたちょっと腹立ってきた。笑


 とにもかくにも、聴取がおわったときにはもう太陽もそこそこ高くなっていて、さすがに気の毒に思ってくれたのか、帰りは聴取担当の刑事とはべつのおまわりさんがパトカーで自宅まで送ってくれました。


 ちなみに捜査はほんの半月ほどで実質打ちきり、犯人は当然(?)捕まりませんでした。

 それまでにもね、いろいろと警察への不信感をつのらせる出来事があったのだけど、最後の最後でダメ押しされた感じ。


 でも現場検証はドラマで見たのとおんなじ! とかちょっとテンションあがったりもして。まあ、今となってはぜんぶひっくるめておもしろい経験したなと思います。


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