世紀の大決戦!シリーズ ~〇〇vs〇〇~:Season2

上谷レイジ

第1戦 ゲーム機 vs ゲーミングPC

 司会「さあ、ついに皆様が大好きな『世紀の大決戦!』がシーズン2として帰ってまいりました!

 通称、『魑魅魍魎跋扈選抜両雄激突死闘デスウィークエンドクロスカントリーマッチ』!

 表社会では決して交わることのない両者がリングに上がり、無慈悲なまでの死闘を繰り広げ、どちらがより優れているのかを決める大会です。

 勝てば栄光を得られ、負ければ消滅! 実にシンプルなルールです!

 私、司会を務めさせていただきます出伝電出電出ででんでんででんでと申します! 以後、お見知りおきを!」


 観客A「ワー!」


 観客B「お帰りー!」


 観客C「待っていたわー!」


 観客D「二度と見られないかと思ったよ!」


 観客E「働けよおっさーん!」


 司会「皆さん、ありがとうございます! ……一名うるさいのがいますが無視するとして、なぜ帰ってきたのかを主催者が説明するそうです。それでは主催者の上谷レイジ様、どうぞ!」


 主催者「えー、主催者です。実を言いますと、今まで主催してくださった方に続きをやりたい! と打診をしたところ、了承を頂きました。この戦いは主催者が気分転換を図るために開催しているものだと思っていただけたら幸いです。皆様、よろしくお願いいたします」


 観客A「無理するなよ~!」


 観客B「これからよろしくな~!」


 観客C「頑張ってね、レイジさーん!」


 観客D「楽しみにしているぞ~!」


 観客E「いい加減働けよ、司会者と主催者のおっさ~ん!」


 主催者「わかっとるわ!」


 司会「同感だ! ……早速ですが、今夜の対戦カードを発表いたします! 今夜の対戦カードは……」


 観客一同「ゴクリ……」


 ダダダダダ……ダダン!


 司会「ゲーミングPC対ゲーム機!」


 観客一同「うおぉぉぉぉ!」


 司会「プレイステーション5プロが10万以上という高価格で光学ドライブ無し。それについて『高いわ!』と言っている皆様方も多いはずではないでしょうか。そんなあなたの背中を押すのが今回のゲーミングPC対ゲーム機対決です。それでは皆様、お待たせしました。選手の入場です! BGM、どうぞ!」


 ♪ジャン、ジャン、ジャジャン! ジャン、ジャン、ジャジャン!

 ♪テテテッ、テテテッ、テテテッ、テテテッ、テレレレテーレー!


 司会「まずは赤コーナーから!

 最初に手にしたゲーム機は初代ファミコン! 以来、スーファミ、ニンテンドー64など任天堂系ハードはもちろんのこと、プレイステーションは初代から4まで何気に持っているぞ!

 やっとのことでプレステ5を買ったけど、プレステ4とラインナップが被っていてがっかりしたのは内緒だ!

 もちろん、XBOXも初代からすべてそろっているぞ!

 ゲーム機に愛された男!

 遊戯機ゲイムキ~~~~~~! スキ~!」


 場内アナウンサー「ゲイムゥキィ~~~~~~、スゥキィィィィ~~~~~オォ~~~~~~~!!」


 観客A「好雄~! ぶっ潰せ~!」


 観客B「負けるんじゃねーぞ!」


 遊戯機「任せろって。家庭用ゲーム機こそ最強であることを証明してやるよ」


 司会「次は青コーナー!

 初めて触れたパソコンは父さんが買ってくれたPC-98だ!

 ゲームとくればPC! 今じゃSteamにEpic Store、GOG、DMMにまで金を突っ込む始末!

 デスクトップPCとノートPC、ポータブルゲームPCも持っている!

 家庭用ゲーム機のことなんかまったく興味がわかぬ!

 電脳パソコン~~~~~~! イチ~!」


 場内アナウンサー「プゥアソォコ~~~~~ン、イチィ~~~~~ズゥ~~~~~~!!」


 観客C「キャー! 一途さんカッコいい~!」


 観客D「今こそPCの時代だと見せつけてやれ!」


 観客E「FANZAでエロ同人をしこたま買っているのか~!」


 電脳「うるさい! 人の恥部を晒すな! ……任せてください。家庭用ゲーム機の時代は終わりだと証明させてあげますよ」


 司会「試合のルールは簡単です。お互いの長所と短所をアピールして、先に心が折れた方の負けという単純シンプルかつ残酷クルーエルなルール! 試合時間は無制限、負けた方は二度とこの世界に存在できなくなります!

 実質デスマッチ!」


 観客A「短所をののしりあうるんじゃないのか!」


 司会「いやあ、長所と短所を両方見ておいた方がいいかなと思いまして……。ただ、これについては試合ごとに代わるかと思われますのでご容赦いただけたらと思います。さあ両者見あって、見あって……! 開始はじめいッッッッ!」


 ジャア~ン!(銅鑼の音)


 司会「おーっと、赤コーナーの遊戯機選手がパソコンを取り出したぞ。手に持っているパソコンは……、なんとChromebookだ~! それを取り出して中央にあるプロジェクターへ繋げて……何やら始めますね」


 遊戯機「ゲーム機の利点はだな、PCに比べてあまりコストをかけずにビデオゲームを楽しめるということだ。PCだとまともにゲームができるものだと安くて10万、ミドルタイプだと20万はするだろう? ハイスペックを狙ったら天井なしだ。それに、モニターを用意したりキーボードを用意したりするとさらに高くつく。だけど、ゲーム機だと最低でもその3分の1でゲームが楽しめる。大作ゲームなんて贅沢なことを考えなくても、だ。どうだ、異論はあるか?」


 司会「しょっぱなから遊戯機選手が正論パンチをかましてきたぁ! これに対して電脳選手はどう返すか?」


 電脳「なるほど、あなたの言いたいことは分かった。ただ、PCにも利点がある」


 遊戯機「なんだと?」


 司会「ここで電脳選手、パソコンをプロジェクターに繋げた! しかもそのパソコンは……、なんと! Chromebookと同じ発売元から出ているゲーミングノートPCだぁ~っ!」

 

 電脳「PCだとゲームを自分の手で作ることが出来るのだ! ゲームのシナリオや企画書、プレゼンテーションを作成するだけじゃない! ゲーム全般をだ!」


 遊戯機「本当か?」


 電脳「ああ、本当だ。ゲームエンジンはおろかプログラム言語も無料で手に入るし、その気になればタダで必要なものをそろえてタダでゲームを作ることが出来る。ゲーム機では出来ないだろう?」


 遊戯機「出来るさ! 見よ!」


 司会「遊戯機選手が取り出したのは……、ニンテンドースイッチだぞ? そしてそこから……おーっと、『プチコン4』を立ち上げたぞ~!」


 遊戯機「スイッチでもその気になればゲームを作ることだって出来るのさ! 見よ! この自作ゲームの数を! それだけじゃないぞ! 任天堂謹製の『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』もあるぞ!」


 司会「おおっ、遊戯機選手が次々と自作ゲームを披露している! 電脳選手、手も足も出ないのか?」


 電脳「ふっ……、そう来ると思ったぞ」


 遊戯機「なんだと?」


 電脳「それならこちらを見よ! アンリアルエンジン5を利用して作り上げたものだ!」


 司会「電脳選手が作ったのは……、なんと! 昔懐かしい2Dアクションにも似たゲームだ!」


 電脳「もともとはアンリアルエンジン4で作っていたけど、5になったから切り替えたのだ。……どうだ?」


 観客A「どうだって言われても……」


 観客B「単なる自慢じゃないのか?」


 観客C「どっちが優れているのか、わからないわ」


 観客D「少なくともグラフィックの凄さでゲームがわかるわけではないし……」


 観客E「そんなことよりもはよ結論を出せよ、おっさん!」


 遊戯機&電脳「おっさん言うな!」


 司会「まあまあ、おふたりとも。ってか論点が微妙にずれているぞ~! って、審判が何か出した!」


 審判「ピピーッ! 両者とも元の位置に戻れ!」


 司会「審判がイエローカードを出した! これはまずい! 二枚イエローカードが出たら両者とも退場、引き分けとなってしまう! ……両者、お互いプレゼンを終わったぞ……!」


 遊戯機「ともかくだ! 安くゲームしたければゲーム機を買え! モンハンワイルドもXBOX Series Sを買えば4万円台で楽しめるぞ!」


 電脳「ふっ……」


 遊戯機「何がおかしい?」


 電脳「先ほどの話に戻るがな、ゲーム機はゲームだけしかできないのではないか?」


 遊戯機「それがどうした? プレステ4とXBOX ONEからはゲーム配信機能が標準で装備されているし、 ゲーム配信をするにしてもゲーム機の機能だけで十分なのでは?」


 電脳「それが甘いというものだ。ニンテンドースイッチを見よ。PCとキャプチャーユニットがないとゲーム実況すらできない。それに、ゲーム機の機能だけでは様々な限界というものがある。そこでPCの出番というわけだ。VTuberを見たまえ。彼らはキャプチャーユニットと高機能のデスクトップPCを組み合わせてゲーム実況をやっているぞ」


 遊戯機「……ま、マジか……」


 電脳「その通りだ。ゲーム機だけで事足りると思ったら大間違いだぞ!」


 遊戯機「う、うがぁ~~っ!!」


 司会「おおっとぉ、遊戯機選手が崩れ落ちるように倒れこんだ~!」


 審判「勝者、電脳選手!」


 司会「電脳選手、一気に畳みかけるようにして勝利しました~!」


 観客A「お見事!」


 観客B「実際スゴイ!」


 観客C「キャー、電脳サーン!」


 観客D「よくやったぜ!」


 観客E「いいから働けおっさん!」


 司会「えー、電脳選手、一言どうぞ!」


 電脳「やっぱり家庭用ゲーム機をあれこれ買うよりも、PCでゲームを楽しんだの方が良いのかなと思いました。まあ、スイッチは次世代機種になるかもしれませんが買うかもです」


 司会「いやあ、素晴らしいコメントありがとうございました。これにて、今回の魑魅魍魎跋扈選抜両雄激突死闘デスウィークエンドクロスカントリーマッチは終わりといたします。次回は『イラストレーター対イラスト生成AI』でお会いしましょう! グッナイ!」

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