第54話 系譜

~蕎麦屋~


川岸「三大蕎麦ってあるよな?」


富沢「おう。やぶ、更科、砂場って奴やろ」


姫路「何それ?」


川岸「江戸時代にあった蕎麦屋3件で、今の蕎麦屋の先祖に当たるんだってさ」


富沢「まあ、のれん分けを繰り返して別モノになったり、時代と共に変化したりしてるけどな」


川岸「例えば『やぶ系』なんかは、濃い味のつゆと風味の強い蕎麦が特徴らしい」


姫路「ああ、そういえばやぶ系って言葉、聞いたことあるわね」


佐藤「なんか、ラーメンみたいですね。家系とか、二郎系とか」


富沢「案外、そんなもんが数百年後に、伝統文化になってるかもしれんで」


佐藤「じゃあ、俺は二郎系蕎麦とか作ってみたいっすね」


川岸「それは……伝統に対する冒涜じゃないか?」


富沢「まあ、ラー油蕎麦とかの変わり種も増えたし、そのうち流行るかもな」

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