第51話 いいね走
~国道~
佐藤「こないだ、いいね走やったんですよ」
川岸「いいね走? なんだそりゃ?」
佐藤「SNSに『明日サイクリングする。いいね×100メートル』とか書いて、いいねがついた分だけ走るんです」
富沢「そりゃ大変やったな。拡散されてめっちゃ走らされたやろ」
佐藤「ところが、全然拡散されなくて、たった5いいねだったんです」
姫路「ってことは?」
富沢「いいね×100メートルやから、500メートルしか走られへんな」
佐藤「最寄りのコンビニまで片道だけ走って、帰りは歩いてきました」
姫路「それもそれで拷問ね」
富沢「俺も若いころ、なんや似たようなことしたわ。『安価で寿司を食う』ってな」
佐藤「なんですか? それ」
富沢「伝わらん世代か。まあ、ネット掲示板の書き込みに番号が付くんやけど、その番号をあらかじめ指定して、そこに書き込まれたもんを注文するってやつや」
姫路「だいたい意地悪な書き込みしかされなくて、ろくなの食べられないのよね」
富沢「それならええわ。俺の時は『まず>>10』ってやったら、8でスレ落ちたんや」
佐藤「それって……」
富沢「なんも食えへん。ただ1日ずっと注文無しで居座った後、茶だけ飲んで帰る変人の出来上がりや。ちなみに出禁くらった」
川岸「こえーな。掲示板の民」
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