第40話 結局買う

~コンビニ前~


川岸「うーん?」


佐藤「どうしたんですか?」


川岸「いや、このコンビニ弁当のプラ容器。中央が盛り上がってない?」


佐藤「うわ。本当だ。ジンギスカン鍋みたいですね」


姫路「ステルス値上げかしら?」


川岸「いや、でももしかしたら、弁当温めたときに変形しただけかもしれない」


富沢「お前の持ち方やと、指が当たって歪んだ可能性もあるなぁ」


姫路「確信が持てないと、クレームも入れづらいわね」


佐藤「もうひとつ同じの買ってくれば分かるんじゃないですか?」


川岸「いや、そこまで金掛けたくないし、さすがにふたつ食ったらもう走れない」


富沢「そもそもステルス値上げやったとしても、クレーム入れてどうすんねん」


姫路「お客様の声で改善……とかないの?」


富沢「あったらこんな時代になっとらんわ」


川岸「もっと食いたかったなぁ。なあ、佐藤。割り勘で弁当もうひとつ買って、分け合わねぇか?」


佐藤「いいっすね。俺もひとつじゃ足りないと思ってたんです」


川岸「アンタらみたいな客がいるから、コンビニも改善しないのよ」

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