第32話 卵かけご飯

~牛丼屋~


佐藤「俺、朝は牛丼屋で卵かけご飯って決めてるんですよ」


姫路「え? 自宅じゃなくて?」


佐藤「俺の家、炊飯器無いんですよね」


川岸「さすがに買えよ。俺はホームレス脱却してから真っ先に買ったぜ。生活保護で」


姫路「アタシたちの税金、川岸さんの炊飯器になってたのね」


川岸「ご、ごちそうさんです」


佐藤「ああ、でも、朝に牛丼屋に行くルーティンも含めて、気に入ってるんですよ」


姫路「どういうこと?」


佐藤「眠いままご飯食べるより、ちょっと走って眠気を覚ましてから食事したいじゃないですか。味もよく分かるし、最高に満腹の状態で出社できるし」


川岸「ああ、それで会社の近くの牛丼屋を使うわけだな」


姫路「いろんなこだわりがあるのね」


富沢「俺も牛丼屋の卵かけご飯は好きやで」


佐藤「お、仲間ですね」


川岸「富沢さんも俺たちと似たようなもん食うんですね。よかった」


富沢「牛丼やなくて、あえて牛皿と卵かけご飯がええな。焼き鮭とかお新香とか、ついつい頼みすぎてしまうわ」


佐藤「……朝からガッツリ行きますね」


川岸「俺、牛丼屋でそんなに金使ったことないかも」

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