第25話 愛ゆえに

~道端~


佐藤「うう……みなさん、先に行っててください。俺、すぐ追いつきます」


富沢「おお、飛ばし屋の佐藤が珍しいな。何かあったん?」


川岸「変な野草でも食ったか? それとも賞味期限切れの開封済み食品に当たったか?」


姫路「川岸さんじゃないんだから、そんなはずないでしょ」


佐藤「さっきの激辛ラーメン」


姫路「え?」


佐藤「俺、辛いの好きで、舌はどんな辛さにも耐性があるんですけど、お腹は人並みなんです」


富沢「まあ、舌は鍛えられても、消化器官は鍛えられへんからな」


姫路「そんな苦しい思いをするのに、なんで超激辛ハイパーモード選んじゃったの?」


佐藤「美味しいからです。いえ、愛しているからです」


富沢「男気やな。たとえ倒れても、好きなもんのためなら本望っちゅうわけか」


川岸「佐藤。今日のお前、とってもカッコいいよ」


佐藤「あ、ありがとうございます。ちょっと……トイレ行ってきます」


富沢「佐藤に、敬礼!」


姫路「……アタシには、ちょっと分からないノリだわ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る