第18話 修理

~町中~


佐藤「あ!」


川岸「どうした佐藤。急に止まったりして」


佐藤「すみません。パンクしました」


川岸「あちゃー。こりゃ困ったな。チューブレスか? それともチューブラー?」


佐藤「クリンチャーです。でもスペアチューブ持ってないし……」


富沢「しゃーないな。俺のTPUチューブ、使えや」


佐藤「あ、ありが……」


富沢「2000円でええよ」


佐藤「転売っすか。いや、でも払います」


川岸「飯の時なんかは奢ってくれるのに、こういう時には金取るんだな」


富沢「そりゃ、自転車に関しては俺ら対等な関係でいたいやろ。せやから貸し借りは無しや」


川岸「うーん、名言かもしれないけど、本当にそうか?」


佐藤「とにかく、すぐチューブ交換します」


川岸「俺も手伝うよ。フレーム支えてればいいか?」


富沢「空気入れはあるんか? CO2ボンベも売ったろか?」


姫路「それじゃあアタシは、みんなのお弁当と飲み物でも買って来るわね」


佐藤「いや、そんなに時間かからないですよ」


川岸「そんな事より作業手伝ってくれよ」


姫路「だ、だって分かんないし、アタシにできる事なんか無いじゃない。アンタたちみたいに自転車マニアじゃないのよ」


富沢「大丈夫や。姫路にも頼みたいことがある」


姫路「な、何? 私でよければ何でもするわ」


富沢「これで、みんなのドリンクでも買ってきてくれ」


姫路「……うん。分かってた」

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