第51話

...実を言うと、少しだけ不安だった。


フラフラしたところがある瀬南ちゃんは、どこかへ行ってしまいそうだったから。


でも、この感じなら大丈夫そう。



「うん、ありがとう。行ってくるね。


...あ、そうだ、一応これ持ってて?連絡用。...絢のだよ」



そう言って瀬南ちゃんに手渡したのは、絢が使っていたスマートフォン。



『え、あ、っ...ありがとう...!』


嬉しそうに笑う顔を見て、渡してよかった、そう思った。


実は最近、ようやく瀬南ちゃんが敬語をやめてくれるようになった。



まだ少し、慣れていないみたいだけど。

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