第13話

『っ………いや!!!!』



渾身の力を込めてその人を押した。


いくら怖くても、知らない人を殴るのは


やり過ぎだ という安っぽい正義感にかられたから。



それでもその人は不意を突かれたようで、


地面に倒れ込んだ。



その隙に全力で走った。


他のことを考える余裕もなく、ただただ走る。



ようやくお家が見えたが


そのスピードを緩めることはなく、倒れ込むようにして


玄関へ飛び込んだ。

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