翔side

第2話

俺がそう言った瞬間に、ほんの少しだけ



瀬南ちゃんの表情が歪んだ気がした。



「……知ってる?」



『…分からないです。ごめんなさい…』



そうは言うものの、眉間に少し力が入っている瀬南ちゃん。



「ううん。記憶が戻らない限りは、知ってても


分からないと思う。だから気にしないで?


謝らなくていいよ」



優しく頭を撫でると、


すぐにいつもの柔らかい表情に戻った。

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