第95話
「うん。じゃあね」
電話が終わった様子のその人は、また席に座ると、
「せなちゃんのお父さんいたよ〜、今から会いに行く?」
そう聞いてきた。お父さんに会える、しかもこの綺麗な人と一緒に行ける。私は満面の笑みで頷いた。
『ありがとうございます!!きっとお返しはさせて頂きます!』
そう言い、今度はその人に手を引かれ部屋を後にした。
部屋に残された翔は、異変に気付いた。
「どうして、名前も顔も分からない、神成組の組員という情報しかないのにこんなにすぐ見つかる…?」
……まずい、これは罠だ。そう気付いた翔は部屋を飛び出した。
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