第10話

その時の私はどうやら相当弱りきっていたらしい。



何も考えずに、その男の人に抱きついて今まで以上に大号泣した。



よく考えれば分かったのに。茶髪に二重の優しげな目、長いまつげに鼻筋の通った鼻、整った顔立ちをしているこの人はあいつの仲間だと。



でも、いきなり抱きついた私を驚きながらも何も言わずに優しく抱きしめ、頭を撫で、なによりあいつとは違う優しい目をしたこの人に、私は縋(すが)ってしまった。

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