第8話 メンフィス
予定の時間になった俺たちは砂漠の上にいた。
息を整える…。
四獣…スフィンクスは寝ているようだったが、全員に緊張が走っているのがわかった。
スフィンクスの大きさは全長八メートルくらい…だろうか?いや、もう少しでかいかもしれない。
カミラさんが足をとめて、武器を構える。
それに伴って、皆が攻撃の準備をする。
静寂――しかしそれは次の瞬間には過去のものとなる。
「攻撃開始!!」
カミラさんの声が大きく響きわたる。
爆発。雷。炎に水に銃撃。他にもさまざまな攻撃が飛び交う。
爆炎で敵が包まれるも攻撃を止める様子はない。
ここで俺はすぐにヒカリを出す。という判断を決めあぐねていた。
この事は作戦前に居織だけでなく、いろんな人にも聞いてみたのだが、お前の能力だから好きなタイミングで使え。とのことだった。
スフィンクスらしき遠吠えが聞こえる。
…まだ倒せていない。
この場でヒカリを呼べば、勝てる可能性はあると思う。
しかしだ。それで倒せなかった場合どうなるだろうか。
正直に言って、現状の俺ではヒカリがいなければ、ただの木に関係するものを出せるただの人だ。
覚悟を決めるしかないか。
そう思ってヒカリを呼ぼうとしたときだった。
嵐のような風が吹く。
いつの間にかスフィンクスを包んでいた爆炎が晴れ、その体が露になる。
「無傷?!」
飛び上がるソレはまるでミサイルだろうか。
空中に展開するとともにスフィンクスを中心に嵐が巻き起こる。
何人かが、撃墜しにスフィンクスの元へ向かうも風によって撃ち落とされる。
この前戦った人殺しとは違う恐怖――
その瞬間、世界が壊れたような感覚がした。
頭が痛い…。
「――――ぁっ!」
俺は――この景色をしっていた。
臨戦態勢…捕食行動と言えるべきその構えを俺は知っていた。
雄たけびを上げるそれは隕石のようだ。
それは敵対者殺す、捕食者の目。
その瞬間に俺がしたのはヒカリを呼ぶことではなかった。
――少しだ。少しだけでいい。
少し時間を稼ぐだけ。
道具作成を使う――作るのは単純だ。
質量のあるものを作る。
ただ、それだけだった。
作ったのはただの四角い木。
だが、その大きさは常軌を逸している。
自然界に存在しない――否、その大きさは事実存在しているものだ。
急に現れたそれは勢いよく怪物とぶつかる。
「――――――ッ!」
それと同時に貧血のような感覚が走る。
だが、十分だと。
自身はやりとげたのだと自身に言いつけ、自身を鼓舞する。
怪物はナニカから指示をされたのか、それとも本能か。
俺にめがけてやってくる。
ドンッと音がする。
体が吹き飛ばされそうだ。
その痛みは思ったよりも、――――
「何を悟っている。森羅。」
俺の前に立っていたのは怪物ではなかった。
いや、怪物自体は目のまえにいる。
だが、それよりも前には
「一応、言っておくがこの程度で諦めるなどと嘆くなら今すぐにでも
そう、彼は抑えたのだ。
隕石とも言えそうな速度でやってきた怪物を。
その体で、…やつの動きを止めたのだ。
「
「――ああ!」
だが、そうして動きを止めたとしてもスフィンクスにダメージがないのはわかりきっている。
でもそれが絶対的な硬度によるものではないとわかる。
絶対的な硬度であれば、ダメージは一つも入れられずに敗北するだろう。
だが、それは違うと――どこか俺が否定する。
観察する、その間周りの攻撃は止まらない。
視にくい。
だが、これでいい。
一つものを作りだす。
弓はダメだ。構造を知っていても基本的に一般人の俺が大弓やコンパウンドボウなどを引けるとは限らない。
槍もダメだ。投げるでは肩の力が足りない。
パチンコはどうだ?…これなら、まだありかもしれない。
…弓にあるじゃないか。引かなくても威力の出るものが。
引いた状態で、作ればいい。
作るのはクロスボウ…ボウガンともいわれるそれだ。
レバー式かどうかなどどうでもいい。
一つの矢と弓を作る。
視界がブレる。
しかし、精神安定が仕事したからか。
思考に淀みはない。
一つ。おかしいともいえるこぶが見えた。
――移動している。
そう、こぶが移動していた。
なら、単純だ。こぶはうっすらとだが赤く光っている。
俺はあれがそうだと確信した。
そういう、自分がいた。
矢が刺さる。
怪物は苦しみの声を嘆く。
次の瞬間にはこぶは別の場所へ移動していた。
だが、一度ネタがわかってしまえば、こちらのものだ。
「こぶだ!赤く光るこぶを狙え。」
そう、誰かが声に出す。
そこからはもう早い。
居織が叩きカミラさんが雷をこぶにあてる。
他にも、炎に棘。ビームのようなものと続いていく。
スフィンクスの動きが止まる。
弱っていた。
それはもう、誰が見てもわかるくらいに。
だからこそ、みなが歓喜した。
だが、一人。
一人だけ。異変を感じ取っていた。
「総員撤退!」
オルランドさんが叫ぶ声がした。
スフィンクスと思っていた"それ"は形を変える。
ワームや蛇ともとれるフォルム。
つまり、これから――本番ということだった。
それは――アリジゴクにはまるアリのように。
ヤツの付近にいた人々が砂に飲み込まれる。
だが、それを見過ごす俺ではない。
ヤツも消耗している。
なら、やることは一つであると!
「――来い、竜よ。」
そう自然と言葉が出た。
現れるはヒカリ。
だが、その姿は今までのものとは少し違う。
ツノらしきものが生えている。
それだけではない。この前は腕くらいにしかなかった鱗のようなそれはまさしく鱗のようにヒカリの一部を覆っていた。
「…ふむ。シンラ、ヤツを殺せばいいだろう?」
目の前に現れた竜は目を光らせてそう言った。
______________________________
後書き的なやつ
ごめんなさい。久々に書いたもので少し文章がおかしいのかも?――それは元々か。というわけで、次回は来週かその次の週くらいには更新するつもりなのでよろしくお願いします。
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