.

……と言うのも、今日会える理由を無理やり俺が作ったようなもん。




つい先日、堪らなく会いたくなってどうしようもなくなって電話した時。








『───補習?』





『……あ、うん。


えっと…その……

また数学の成績悪くて……』






『………補習ねぇ……』





『……だから、ね、

会えな──…』








『───教えたろっか?』










…───経緯はそんな感じで。




どうやら数学が苦手らしい彩に、“なんちゃって先生”をしに図書館へ向かっているところ。





実のところ勉強なんて建前で、彩に会えるなら何でもいい。





「───よし♪

めっちゃテンション上がってきた♪」






────ヴォン!






暑い日射しを跳ね返すように。




早る気持ちを乗せ、俺は地元へと車を走らせた。

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