.

弥生は性別関係なく仲が良かったから、直ぐにピンと来た。




案の定転校が決まった後も定期的に連絡を取っていたから、頻繁ではないけれど今も友達関係は続いている。






「…なっつかし~…」






…───最後に弥生と話したのはいつだったか。




あちこちを転々とする俺に、今までなかなか同窓会の知らせなんか来る訳もなく。




たいていは忘れられているんだろう、と諦めてはいながらもやっぱり貰うと嬉しくなったりする。






「───純、行くのっ?

その同窓会っ!」





壱はヒョッと手紙を覗き、ピザを片手に問いかけた。





「……う~ん…。

正直この弥生ってヤツしか記憶ないねんけどな。



……まぁこんな機会ないとなかなか会われへんし、行ってみよかな…」






コトン、とビールを片手に置くも間髪入れず






「───えー!!

じゃあオレも行くっ!!!!

関東旅行行きたいしぃ~♪」




「残念~。猿は連れて行かれへん。」




「なっ!!!猿じゃないし!絶対行く絶対行く~!!」



「……っつか旅費あるんか。」






「……あ。」






固まる壱を見て、吾郎とマリアはニヤニヤ。






「…こりゃあ無理と見た。おとなしくしとけ、壱。」




「残念だったわね~猿~♪サーカスでも行って稼いで来たら~?」





「猿じゃないもん猿じゃないもん!!!!うわぁぁぁん行きたいよぉ~~~~!」








……こうして壱の旅のお供立候補を見事にブッた切り。




俺は同窓会に出席する事を決めた。








…───それが





のちに数奇な運命の糸を絡めてしまうキッカケになるとは知らずに。

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