はじめてのこと

第20話

「お待ちしておりました」







「(そこ段差あるから気をつけて?)」


「はぃ…」






「こちらへどうぞ」








「あっ、彼女の椅子俺するから」


「かしこまりました」







「はい、そこ座って?」


「…」


「(椅子少し前に押すな?)」



コクッ











「光希様はこちらへどうぞ」


「ありがと。





ひかり、何か食べれない物ある?」




「え?」





呼び捨て…






「嫌いな食べ物とかない?」


「ぅん…」








「これと… これにしてもらっていい?」


「かしこまりました」










「勝手に決めちゃったけど…」


「助かります」









どうせメニュー見えないし…








「そんなかしこまらなくていいよ?」


「…」


「店員さん、呼ばないと来ないし、個室だからお客さんに見られねぇし…


ぜってぇバレてねぇよ?目が不自由なの」


「そうですか?」








だからメニュー勝手に決めてくれて、




椅子も誘導してくれたんだ…







「ありがと…」


「どういたしまして」









彼なりの





優しさ…












温かい

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