第30話 猫も杓子も頭を抱える能力

テストの採点が終わった今現在。

普通に僕は水道水ならぬ魔力水(水晶から生み出した水)を飲んでいるんだが...


プルルル...


スマホの振動が鳴り止まない。いや、うん。ガン無視してる僕も悪いとは思ってるんだけど......表示されてるのが『名古屋市立東部中学校』という見事なまでの自分の通ってる学校なんだよねこれ。出たくない...



えぇいもうどうだっていいやとにかく出てやろう!


ピッ!


「はいもしもし。」

「おお、やっと出てくれ...キレてない?」

「いえ。僕はいたって温厚ですよ。キレてませんよ、夜桜洋和...は信用ならないので(え!?)水次先生に誓って」


電話の相手は水次先生だったみたいだ。いやー、良かった。校長とかじゃなくて...


「なんかいま神への冒涜をしませんでしたか?」

「いや大丈夫大丈夫、僕の知ってる神ってキリストみたいな凄い人でもなければ、聖人君子って人でもないよく私物スマホをぶっ壊す人だから...」

「そ、そう...まぁ本題に入らせてもらいましょう。昨日、夢唯さんが誕生日を迎えたでしょう?」

「はい、そうですね。祝いましたね。」

「誕生日を迎えたってことは、能力が発現するでしょ?」

「はい、そうですね...その能力が問題と?」

「何故分かったのですか、東風谷さん...」

「んなこたぁどうでもいい。取り敢えずその能力の内容を教えてくれません?」

「えーっと...まぁ取り敢えず夢唯さんが撮った写真あるから渡すわね...」


なんで撮ってんの?まぁいいや。えーと、これか。鏡で調べたのか...コメントにあったな。えーと、何々?



【風纏う衛星】

まず、以下の条件のいずれかに当てはまっている者から衛星となる人を選ぶことが出来る。

1.名前、名字に"風"という漢字が入っている2.能力名に"風"という漢字が入っている。

3.二つ名として付けられたものに"風"という漢字が入っている。


次に、衛星となれば以下のデメリット及びメリットを享受する。


デメリット1.1日10時間は衛星となった人(以下、衛星対象者)の半径100m以内にいないといけない。


デメリット2.衛星対象者に傷が付こうとすれば、肩代わりすることとなる。


デメリット3.衛星対象者の近くにいないと、強い寂しさ、孤独さ、不安さなどを覚える。


デメリット4.衛星対象者の指示、命令に逆らうことが出来ない。



メリット1.衛星対象者の能力をコピーすることが可能となる。


メリット2.衛星対象者のための行動をする場合、疲労等が体内に貯まることはない。


メリット3.衛星対象者のことに関する思考速度が普段の4.3倍となる。


最後に、



「おぉぅふ...まーじでえぎぃ能力じゃないですか。それで僕に電話したってことは...」

「お察しの通り、夢唯さんは衛星対象者に東風谷さんを選ぶ気みたいですけど...」

「うん...」

「これはですね...」

「「僕(東風谷さん)の一存で決めれねぇ!」」

「ちょっと取り敢えず水次先生は上に報告」

「もうしました。」

「そ、そう...それでなんと...?」




































「...皆、もれなく頭を抱えていました。」

「だろうと思ったよこん畜生...!」

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