第1章

ゼラニウム【予期せぬ出会い】

第10話

事故現場に遭遇した日から数日後、警察から電話があった。



犯人の特定が出来、無事捕まえられたと。



それと、「事故にあった少年が貴方に、会いに来てもらいたいと言ってましたよ」と言伝された。




「きっとお礼がしたいんだと思います」




なんて言っていたが、そんなお礼をされるようなことはしていない。



偶々現場に居合わせて、救急車を呼んだだけ。

当たり前のことをしたまでだ。



でも、レンくんの怪我の具合は気になるから、お見舞い行ってあげようかな〜。




そんなことを考えていた私を、知ってか知らずか警察官は、レンの搬送先の病院を教えてくれた。



しかもレンくんのいる病院は、私が先日カスミさんのお見舞いに足を向けた病院だった。




「同じとこだったのか」




そして今、その病室の扉の前にいる。



カスミさんのいる病室とは違って、ここは相部屋みたいだ。




扉を開けると3人患者がいるのを確認出来き、

私はその3人の顔を確認し、見知った人物のベッドへ足を運んだ。

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