未知との遭遇生首

 俺は生首。その名の通り、頭だけの存在だ。普通の人間だったら生きているわけがない。

 そんなわけで、俺は幽霊とか、怪異って存在なわけだ。

 成仏できずに、あの世へ行けずに、この世をさ迷っている、怪異。


 俺だってそろそろ成仏してもいいかな、と思っていなくもないんだ。けど一人でお行儀よく、誰にも知られず成仏っていうのもしゃくなんだよな。

 怪異っていうのは恐ろしくて、危険な存在じゃないといけない気がする。

 そんな気がする。

 だから誰かを道連れに、俺は成仏するんだ。



 さて、誰を道連れにしようか。


 ん? 何だあれは? 円盤? こっちに降りてくるぞ。


 大きな空飛ぶ円盤型の乗り物が、俺の前に着陸した。入り口が開き、宇宙人っぽい生物が三体、出てきた。


宇宙人「ワレワレハウチュウジンダ」


 やっぱり宇宙人か。

 だから何だっていうんだ。こっちは生首だ。俺は強気な姿勢に出た。


 「宇宙人だって? だったらなんなんだよ。俺は生首だ。怪異だ。どうだ、驚いたか。驚いてひっくり返って頭打ってお陀仏だ」


宇宙人「オマエ、ウルサイ」


「光線銃みたいなものを向けやがって。そんな脅しには」


宇宙人「キエロ」



 ジュッ。



 終。


 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る