第7話
この時をずっと心待ちにしてた。
だって夏休みはわたしにとって良い点しかないから。もちろん部活してる人たちは大変な時期かも知れないし、赤点の補習組は今ごろ嘆いているだろうし、みんなそれぞれ何かと忙しい。
けれど、こんなことを思うのは不謹慎なんだと思う、みんなが忙しくしている、この時期の校内がとてつもなく好き。
わちゃわちゃそれぞれが喋るような日常のうるささじゃなくて、何かに一生懸命取り組んでいる叱咤とか激励とか声援とか金管の高い音とか、椅子の脚が床に擦れて響く音とか全部が合わさるとうるさそうに感じるのに不思議とうるさく感じない。
変わってる。って前に紬ちゃんに話したとき言われた気がする。そんな紬ちゃんは陸上部の合宿が今日かららしく、いつもより合宿期間が早まったと嘆いていた。今頃、地獄の走り込みとやらをしてるのかな。
去年の夏休みもそんな風に黄昏れていて、今年も去年と同じように有意義なものになると、ふわふわ甘い考えを見透かされてお灸を据えられたのかもしれない。
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