第12話 進行方向...

最寄駅では流石にないけど...


電車に乗って走り出す時

いつもドキッとするの


進行方向...

いつも逆...?


自分が思っている方向と

いつも逆方向に進むから

一瞬ドキッとしちゃう


あら...?

そうなの?

そっちなの???...って


さっきも東京に向かう電車で

ドキドキしちゃったよ


反対に行ってしまうみたいで

不安になるの



新幹線の時はいつも

京都を過ぎたところで席を立って

ドアの前で待機するの


あなたはいつも


『新大阪に着いてから

立てばええやろ』って


笑って呆れてるけど

私にとっては重大な事なの


少しでも早く乗り換えをして

少しでも早くあなたの所に帰りたいから

ドアの前で待機してるの


ドアが開いたらすぐに走って

乗り換えホームに行きたいから


でも...


前に一度

ドアが開いて思いっきり走ったら

目の前のホームが切れてて


えっ...??って振り返ったら

み〜んな あっち向いて歩いてた


新幹線のドアの前って

アナウンスが聞こえないから

どっちのドアが開くのか

ホームに入るまで分からなくて


反対側のドアだったから

階段方向を勘違いして

逆に走っちゃったみたい


3号車だから少し走ったら

ホーム無かったよ


その時の話...


あなた呆れ果てて

何度も言い聞かせられた


『ええか?どうしても走りたければ

どっちのドアが開いたとしても

お前が進んで来た方向と

反対へ走れ‼︎ええか?

進んで来た方向と反対やぞ‼︎』って


『真っ赤な顔して恥ずかしそうに

戻って行ったんが眼に浮かぶわ!』ってね



ホント...

恥ずかしい


でも...

私の愛の深さだけは

わかってね


これでも精一杯

頑張ってるつもりだから



確かに...

あなたが言うように

私には『反転能力』...?

ゼロなのかな〜?(。•́ - •̀。)

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