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「入るよ。……お待たせしてごめんね」
「いえ。こちらこそ突然押しかけてしまい申し訳ございません」
今日はお父上であるジェソンさんとアルフォンスくんだけだった。お母上は仕事で来られなかったらしい。アルフォンスくんは体調がかなり悪そうで、ウンディーネが用意してくれたらしい布団に横たわっている。
「早速ですが訪問させていただいた理由をお話ししてもよろしいでしょうか?」
「良いよ」
「ありがとうございます。ご覧の通りアルフォンスの体調が
「うーん……俺の浄化の効果がすぐに切れたの?」
俺の魔法は効果が強いから浄化したならしばらくは大丈夫だと思ってたんだけどねぇ……
「はい。原因は分かっていないのですがただの病気だ」
「待って」
恐らく『ただの病気だったのでしょうか?』とでも聞こうとしたんだろうね。そんな彼の言葉を途中で止める。話を聞きながらアルフォンスくんの容体を確認してたんだけどさ? これは───やっぱり病気じゃないよ。
「違う。病気じゃなくて呪いだ。最初に予想していた通り精霊殺しによる呪いだよ、これ……!」
あんな推測当たらないでほしかった。半年も眠ったりせずもっと早く調べておくべきだった。油断したよ。だけど今回はある程度の時間が経過したからこそ呪いだと分かったのかもしれない。
それにしてもかなり強力な呪いだよ。時間が経過してなくとも、もっと慎重に確認していれば一目瞭然だったかもしれない。
中位精霊以下だと思ってたけどこれは多分中位精霊以上だね、殺されたのは。いや、中位精霊か。『中位精霊以上』なら大精霊も含まれるけど大精霊はみんな揃ってるから。
精霊殺しによる呪いの強さというのは、精霊の元々の強さもあるけど殺され方も関係する。
即死か、ないと思うけど安楽死か、それとも苦しめられたのか。どんな殺され方だったかで大分変わってくるんだよ。
例えばどこかで中位精霊が安楽死させられ、また別のどこかで下位精霊が苦しみながら殺されたとする。その場合、呪いの強さは後者の方が上回ることが多い。つまり殺した相手への恨みや苦しみのような負の感情が呪いになった時の強さを左右する、ということかな。
性質が異なるからどのレベルの精霊がどのように殺されたかは見れば分かる。
「───許せないねぇ?」
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