第8話 やっと話せた

「私と小澤くんが風紀委員会一緒でしょ? 

 ずっと同じクラスだったんだけど、

 話したこと全然なかったよね」


「うん。そうだね。

 篠崎さんは、人気者だから

 僕になんか話す用事なんてないでしょう」


「そんなことないよ。人気者? 

 そうなのかなあ。

 そんなつもりないけど、

 色んな人から声はかかるよ」


「篠崎! それが人気者ってことだって」


 同じクラスメイトの男子の里中が大きな声で言った。


「あ、そーなんだ。

 ごめんね。間違えたみたい。

 小澤くん、これからもよろしくね。

 同じ委員会なんだから気軽に声かけて」

「え、あ。うん。よろしく」


 小澤は耳まで顔を真っ赤にして、頷いた。


「こいつ、篠崎のこと好きなんじゃないの?」


「そうなの?」


 篠崎は喜んだ。


 

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