第26話
知人が苛立って他者をサンドバックにしている光景を観てしまってしまうのはどんな気分だろうか。それはかなりの恐怖をするので間違いないとも思う。それをどうにか呼びかけていけば止まってくれるともいえるだろう。
その直後にサンドバックにしていたそれが崩壊をしてしまうのであれば、掛けてやる言葉などまずはない。それよりも優先するべきことなんていうのは殴ってでも矯正してやるのが正しいのか。恐らくはどこまでも間違っているとしか思えない行動だろう。
だとしても必要なならばやらねばならない。必要ならばだ。既に気づいてしまっているのであればやってやるのは後回しになるだけだ。その後にへとずっと後回しにし続けてしまうのは後悔なんてことをしてしまうリスクだって存在してしまっている。
だがそれでも誰が親しくしている知人を好き好んで殴りたいとも思うかよ。下らない幻想を抱えて戦場にて友人に撃たれるのは嫌だがそれはそれとして知人程度であれば殴ってやるのが………………それを言ったら最も親しくしている友人こそ全力でぶん殴ってやるものだろう。
「だとしてもお前はちゃんと正気で生きているなんの問題もないということで。
「その手段なんて本当にあるのか。さっきから危ないことばかりしているような気もするんだが」
この地面に空いてしまった穴というのは先ほど
それを言いだしてしまえば弱肉強食というのは適者生存の言葉すらも無為に呑み込んでしまうくらいの強さの格差を有してしまえればいいという馬鹿な発想を含んでいる。実現できるのかという問題はさておいてだ。
「で?
「そうですよ。
こんなことを言っている
「何を言ってんのよ。それは流石におかしいどころの騒ぎではないって。面白おかしく話を作りあげていくにはどれだけの努力と感情と才能が必要だったというのに。全てが楽に片付くと思っているのなら大間違いですからねッ‼」
まぁかなりの勢いでまくしたてられてしまえばそれの理解だって相応の時間を要するのは間違いなし。
「それも今更というんだけれど。じゃあさぁ、今からやることなんて決めているのかよ。既にいるんだったら俺らはそれに従うだけだけど。………………そういえば他の連中っていえばもう既に連絡出来たのか。そうであるのならこっちだってとっとと動き出していかなければいけない。配置を揃えて咬み合わせていかなければうまい具合にいってくれない。そうでなければ」
「敗北を識のはもう二度とごめんだ。同格以上を相手にするのであれば相応の実力を備えなければいけないだけ。私たちのやり方に従っていくしかないとなればそれがまた枷になってしまうのがどこまでいっても………………まぁ既に連絡もついてはいるしとっくの昔に次に何をしようかなんて決めていることだし」
「なんだよそれは」
散々勿体ぶってこれかよとは思うのだがじゃあ出来ていませんでしたとなるのもそれはそれとして苛立ちも募ろうものなので出来ているだけまだまだましだということなのか。とっくの昔にというよりは激情の八つ当たりという遥か彼方で冷静な思考をしていたのだろう。いつもいつも
「知らないのは、持っていない材料で調理をしてくれというのはどこまでも残酷な指示であるのは忘れてはいけない。そこまでの無作法をしてしまうのはダメに決まっている。俺はそんなことはしねぇよ」
「あのですねぇ、そんなことを言いますが心配をする相手の古傷を抉るあなただって大概酷いとは思いますよ」
「いいじゃねえか。非道でないだけよっぽどましだよ。この世の中にはどれだけの非道な行為が蔓延っているのか
「その最もたる位置に含まれてくれるのでしょうかね。言い出したらキリのないことですが我々では世界の上位にへと立つのはどこまでも難しい。きっと上には上がいるということだから。だったら最もなんて言って張られないかハハハハハ」
嫌嗤ってんじゃねえよ。そこまで暇ではないって俺らは。
「いや、それをいうなら批難囂囂ですよ。全く、では行きますか。
そうしてこの場から離れていくことになった二人であった。だがその結果としてどこまでもたどり着くことのない遠い世界をひたすらに探し回る羽目にとなってしまうのは流石に想像もつかなかったろう。
「ぜぇぜぇ、ここってどこですかねぇ。いくら何でも想像もつかないっていうのが確信している状態なんてもはや矛盾の域ですってこれは。なんでとは言いだしても気の遠くなるのみですが」
「まぁこれでも私が元気な分だけまだまだやっていけるのは間違いなしですから。それとももう自宅へ帰還しますか」
恐らく
「だからその激情を抑えておきましょうよ。冷静に考えてあなたは無茶が過ぎるのが当然の域にずっと居続けるのみなんですから。今更私に向かってきたところで敗北をするのは相手側にしかならないのをいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも見てきたではないですか。だから」
そこで大変なモノを視界にへと入れてしまったらしい
「ッあ?」
だがこの蹴りにすらそこまでの気合は入っていなかった。蹴りを放った
恐ろしいくらいに………………存在してはいけない誰かというのを視界に収めてしまえば誰だってそうなろうというモノだ。
「なんでいるんだよ。お前はやられたってこいつが」
「指をさすんじゃない指をさすんじゃないですよ」
向けられてきたその指というのを掴んで下にへと降ろしていく
それを掴んでちょいと力を込めてやれば勢いよく引っ込めていくのが見て取れた。
「何すんですかアンタはッ⁉」
「じゃあそんな風にしてひたすらに他者を指さしてくるんじゃありませんよ。この時間が非常に無駄でしかないじゃあないですかッ‼」
そう言われてしまえば一切の反論などを許してはくれなさそうなのが当然ということか。全くこの緊迫した場面において、道路の真ん中で遊んでいる自分が明らかに間違っているというのはたくさん間違っているとはよくわかっているのだがそれでも確かめたいことはあったのだ。それはしっかりと把握できてはいる。どうやら
(この判断は間違っておらずに誰よりも同じ意見をしているということ。これ以上のない汎用性をしているのがこのやり取りなんだからまだまだやりたかったところなんだが………………)
悲しいかな。他の皆からは茶番だとでも言われてしまっているので非常に辛くも苦しいのがいつもではある。
まぁこの雑な扱いというのもそれこそいつも通りというわけなんだが。だとしても納得しろとはしてやれない。それは目の前の事。
「なんでお前がいるのか説明をしてもらわなければ誰も言ってくれなきゃ知りようがないじゃないかよッ」
彼ら二人の前にと立っていたのは
「誰もですか。どうせこの世界を創りあげた創造主様なら知っているじゃないですかねぇ。それとも下々のことなど考えてくれませんか」
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