第1話

ヴァンパイアの住む国



ヴァンパイアハンターが住む国



この世界は真っ二つに分かれていた。




対峙し合う両国はそれぞれ警察組織を結成。



両国からの進入やスパイ行為を阻止するためである。




ヴァンパイアハンターの長として君臨するヴァン・ヘルシングはヴァンパイアを支配し統治下に置こうと目論もくろんでいた。



冷酷非道なヴァン・ヘルシングは自分の娘をヴァンパイア国に進入させ、情報を探るよう命じた。



しかし女はこの機を逃しはしなかった。






遠浅に広がる真っ紅な腐海。



ヴァンパイア国にあるこの腐海に触れればたちまちどんな金属でも溶解されてしまう。



その真っ紅なだだっ広い溶解液のど真ん中に螺旋状の監獄がそびえ立つ。



いつもは腐海の紅さも分からないほどの暗闇だがその日は違った。



無数のオレンジ色の緊急灯がぐるぐると回転し 監獄中にサイレンを鳴り響かせる。



そのサイレンの不協和音に看守たちの怒号を加えれば誰もが緊急事態だと慌てふためく。





ただ一人を除いて。

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