第156話

「・・・俺に落ちない女は珍しいな。」


「・・・自信家め。」



嫌味を言う私に凌久が小さく笑う。


私に振られた癖に、何だよその余裕の笑み。


私の頭を一撫ひとなですると、凌久がさっきのアルビノがいる方へと歩いて行った。




凌久が私から離れたのを確認すると、私は直ぐにバッグからスマホを取り出した。


ラインを確認すると、まだ里桜は未読のまま。


昨日宗平に「未読スルーは止めてくれ」と言われた言葉が今になって身に染みる。


かと言って既読スルーはもっと止めて欲しいけど・・・



スマホの画面を見ていると、突然着信音が鳴り出した。


画面には「三潴」の文字。



三潴はいつもライン電話じゃなく普通に電話を掛けて来てくれる。


こういうのが少し嬉しかったりして、さすが女子の扱いに慣れてるだけあるなあ、なんて思ったり。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る