第108話
何言ってんの里桜?
ねえ、なんで怒ってるの??
いつもの私だったら直ぐに掴まれた手首を掴み返して、このままぐりんっと反転させて、
腹に膝蹴りぶちこんで、顔面に頭突きかますのに。
この馬鹿力、びくともしない!
「・・・どーせ大学の友達って奴にも飲ませてんだろ?!ふざけんなよ!!」
・・・なんで里桜がそんなことで怒るの?
意味が分からない。
だって、自分だって飲んでるじゃん!!
当たり前のように飲んでおいて、
人の首筋に散々吸い付いておいて、
何が合コンだよ!!バーカ!!!!
無性に腹立たしくなってきた私は里桜の顔を思い切り睨んで息巻いた。
「私が他のヴァンパイアに血をあげて何が悪いんでしゅか?!!」
「ああ"っ?!」
「私が誰に守って貰おうが関係ないでしゅ!!里桜の馬鹿!!金髪ハゲ!!!」
「な"っ・・・」
「バーカバーカ!!!!」
完全に組み敷かれている状態なのに、下から里桜に暴言を飛ばす。
力がない分、口で負かそうという魂胆。
ってこんなんで勝てるはずもないのに・・・
まるで小さな子猫がライオンに威嚇してるみたい。
でもこんな風に誰かに暴言を吐いたのは初めてかもしれない。
その相手がまさか里桜だなんて。。
「オルカ!!生きてるか?!!1人で寂しくなかったか?!!」
「ルカちゃ~ん!!起きてる~?!」
宗平と四竃の声だ。
「っっ馬鹿馬鹿しい!!!」
里桜が舌打ちをして勢いよく私から退いた。
「好きにしろ!!!!」
里桜が立ち上がると、足元に転がったぬいぐるみを拾い、律儀に私の近くに置いた。
襖を開けると宗平と鉢合わせするなり顔も見ずに横切る。
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