第8話

「じゃあ僕は学校に行って来るから、何かあったら連絡して?また放課後来るよ。」



宗平が振り返って玄関へと歩いて行く。


私も後をついて行くと、玄関で靴を履く宗平が「そうだ」と言って鞄からふわふわの卵サンドを出してきた。



「ほら、これ食べなよ。」



「ありがとうごじゃいましゅ。」



何の躊躇ためらいもなく卵サンドを受け取る。


あ、そういえば言っておかなければならないことがあった。


私は引き止めようと宗平のズボンを掴んだ。



「宗平!」



「・・・何??」



振り返って見下ろす宗平に、私はさっき貸して貰った藍色のハンカチを見せて言った。



「これ・・・

もうちょっと持っててもいいでしゅか??」



宗平の顔を必死に見上げる。


このハンカチを握っているとなんだか安心するし。




すると宗平が玄関で膝をついてガクッと崩れた。



「えっ?!ど、どうしたんでしゅか?!!」



宗平が赤く染まる顔面を両手で抑え、天井に向かって声にならない声で叫び出す!



「っっっ!!///か、可愛ッッ!!!!


あ"ーーーーっっ///・・・」




・・・・・・・・




何でもいいから、


とっとと学校行け・・・・。

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