第17話:セシルの異変。

結局セシルとは初エッチになった訳で・・・で、なんとかセシルの中に入れたん

だけどこれがなんて言うか、この世にこれ以上の快感、気持ちいいってことがあるのかって体験をした・・・さすがセックスに特化したセクサロイド・・・人間の女性は

いらないって思った。

完全にセシルに依存しそうだった・・・いやセシルとのセックスにだ。


ある朝のこと、いつもセシルが俺を起こしに来てくれるんだけど、それが今朝は

起こしに来ない。

めっちゃディープなキスされるのに・・・今朝はどうしたんだろう?


少し、心配になってリビングに降りて行ってみたけどセシルが見当たらない。

キッチンにもいない。

そしたらセシルがソファに寝そべって寝ていたから気づかなかった。


「セシル?・・・どうした?」

「セシル?」


「あ、未来ちゃん・・・私、なんか変なの?」


「変って?」


「体が思うように動かなくて・・・どうしたんだろ?」


「起き上がれないのか?」


「うん・・・」


「どこか故障してるのか?」

「分かんない・・・」


「少しも動けないのか?」


「無理したら少しは歩けるけど・・・すぐに力が抜けて・・・」

「ご飯もお掃除もお洗濯もできないよ」


「そんなことはしなくていいよ」


「調子が悪くなったの、いつからなんだ?」


「朝、起きたら、なんか変で・・・ソファまで来るのが精一杯だったの」


「無理に動かなくていいからな・・・そのままじっとしてろ」

「なんとかしてみるから・・・」


そこでこの状況をパセリさんがたぶん見てただろうと思って、俺はすぐに

パセリさんを呼び出した。


《パセリさん・・・セシルのこと見てた?》


《見てたよ・・・起きるのが大変だったみたい》

《どうしたの?って聞いても本人も分かんないんだって》

《もしかしたら、体のどこか、故障?支障をきたしてるのかも》


《まあ、セシルはもともと中古だったからな》

《ばあさんのところに出されて定期的にメーカーでメンテしてたとは思えないし》

《困ったな・・・このまま動かなくなったらどうしよう?》


《専門家に見てもらったら?》


《え?メーカーに持って行けって?》

《それはいいけど・・・故障してたとして場所によっちゃ修理費いくらかかるか

分かんないだろ?》

《まあ、ローン組めばいい話だけどな》


《セシルが完全に動かなくなる前にメーカーに連れて行くか?》


《あのね・・・差し出がましいようだけど・・・私の別れた前の彼氏・・・

大手の社長さんなんだけど 》

《実は機械メーカーの社長さんなの?》


《アンドロイドやガイノイドなんかの修理なんかも請け負ってて》

《私が頼めば、もしかしてセシルちゃん見てくれるかも》


《パセリさんの元彼って・・・社長さんだったの?》


《うん、セシルちゃんには話したけど、私、彼とは不倫してたの》

《結局、別れちゃったんだけどね》


《でも、私が連絡したら、お話聞いてくれるかも》


《そうなんだ・・・でも悪いよ》

《別れた彼氏でしょ・・・迷惑じゃない?》

《だいいち、パセリさんイヤでしょ?》


《大丈夫だよ、私のことよりセシルちゃんのことのほうが大事でしょ?》

《メーカーにセシルちゃんを預けるよりは信頼できると思うけど・・・ 》


《じゃ〜お願いしようかな》

《とりあえずセシルの具合を一度見てもらっておいたほうが安心だし》


ってことでパセリさんが元彼に連絡を取ってくれることになった。


このままセシルは動かなくなるのかな?

俺はセシルのことが心配でしかたがなかった。

だからこうなると悪いことしか考えないし・・・。


たしかにセシルは依存体質で甘えん坊で寂しがり屋で構ってちゃんな彼女だけど、

それでも今は俺のほうがセシルに依存してるよ。


もしこのままセシルが動かなくなったら・・・そう思うと居ても立っても

いられない。

この広い世界中のどこを探したってセシルの代わりはいないんだから・・・。


つづく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る