第6話
〜・〜
ーーーーガサッ。
明らかに自然の音ではない音がした。
靴で草や枝を踏む音。人工的な、人がいる時だけの音。
もしかすると、同じ目的のために…
死ぬために来た人か。
ゆっくりと目を開けると、2メートルほど離れた場所に人が立っていた。
暗くて顔は見えないが、女にしては広い肩幅と高身長。
おそらく、男だ。
男(仮)は、こちらを向いて立ち尽くしている。
死にに来る人以外こんなところにはいないだろう。
死ぬならば、関係ない。
会話の必要もない。
男(仮)から目線を外し、地面を見つめる。
相変わらず足も腕もだらりと脱力した状態で座り、目を伏せ、少し首をかしげた状態でぼうっとする。
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