第54話 戦闘? 開始
〈カルチュアを支配する神に干渉されたようだな〉
「アホか、これだけ派手に動けば干渉されるの当たり前だろーが」
「君を全員集めて支配神への対抗とかね……」
「フルグラ、アクア、ちょっと待て。これ多分、新たなる神の選定だぞ」
ジルコンさんの発言に皆の注目が集まる。
「ああ、俺さ、以前神にされかけたことあったんだよね。まあ、別のやつに押し付けて難を逃れたんだけどな」
「難を逃れるって……もうカルチュアのアレ疫病神扱いね」
「アクア、お前だってアレ扱いして、俺のこと言えねーだろが!」
〈なるほどな、ジルコンにアクアマリン、古参のお前たちは承知の上だったか〉
「ジル姉やアクア姉だけじゃなく俺もな。他の神になっていった君たちを見送ってきたからな。というか、比較的新参のお前だって知ってたからこんなことしたんだろうが」
〈まあな。ジルコンではないが、余も一度この世界に来たことがある〉
「おい、それを先に言えよ」
何やら、僕達の知らないところで勝手に話が進んでいた。
スラヤミィは興味深そうに古参の君たちの会話に耳を傾けつつ、辺りをきょろきょろ見回している。
そしてダイアは、夜の星空の世界みたいで
ダイア、どうしてこうなった?
というか、結構大変そうな場面なのに、皆緊張感なさすぎと思うのは僕だけなのだろうか……。
〈まあ、当初の予定から大きな狂いはない。さあ、早速だが戦ってもらおう〉
何だか、なし崩し的に、カルチュアを支配する神と戦うことになった。
〈ああ、神と言っても概念的なものだ。物質的な形態はしていないぞ〉
「では、どうやって戦うんですか!?」
概念的とかそんなこと言われても困る。
「あー、俺が以前見た時は、アレはエネルギーのかたまりで押しつぶすようにしてくるから、それに対抗するような感じでエイヤーって気合で押し返す」
〈ふむ、ジルコンの言うことで概ね合っている〉
いや、そんなエイヤーとか言われても分からないんですけど……。
「なるほど、分かった」
いやダイアさん、分かるの?
感覚派というか、脳筋派?
とか思っていると、突然圧力のようなものを感じた。
……!?
な、なんだこれっ……!
「ぐっ…こ…れは……キツイ……」
「気合…気合っ……! だ…だめだ……」
〈ほう、対象はセディ……と、ダイアもだな〉
「オ、オイ…ラも…っス……」
僕とダイア、それにスラヤミィまで……。
「ちっ、俺達は無視かよ。ジル姉! アクア姉! 結界を張るぞ!」
「分かったわ」
「はー、メンドくせーけどしゃーないか」
僕達の前に、空間を隔離する壁が、それを包むような水の膜が、最後にそれらを外側から覆うような紫電の結界が現れ張り巡らせられると、かかっていた圧力が消えた。
「一体、何が……?」
〈セディ。お前達のような形ある存在を概念的存在、すなわち神に変えるべく圧をかけてきた感じか〉
「神に変える?」
〈分かり易く言うと、小麦を練ってパンをつくるみたいなものか?〉
「それだと、形あるものから形ある物っス」
スラヤミィが突っ込みを入れた。
〈では、お布施として寄付された金貨が、信仰の証として昇華されるようなものか?〉
「えっと、余計に訳分からないです……」
「単純に、幽霊みたいなものになるって感じっスかね?」
〈うむ、そんな感じか……〉
「さすがスラヤミィ、大魔王と違って分かり易い説明ありがとう」
「どういたしましてっス」
〈セディ、貴様……〉
大魔王は無視無視っと。
とりあえず分かった。
ジルコンさんは神の選定とか言ったけど、強制連行というか、牧場で例えるなら家畜を絞めるみたいなものだ。
カルチュアの神が必要とするのは、お肉の方じゃなくて抜け出た魂? みたいだけど。
とかなんとか考えている間に、外側の紫電の結界が弾け飛んだ。
結界の主、フルグライトさんは膝をついて息を荒くしている。
「な、なんだ!? 急に力がごっそりと……」
「フルグラ! ちっ、紫電の結界を割ると同時に、雷の存在そのものに干渉してきやがった!」
「まずいわね。大魔王、見てるだけじゃなくて何とかならないの? って、ああっ!」
水の膜がパチンと泡となって弾けた。
「ぐっ、私も一気に力が……もう動けないわ……」
「おいっ! 俺の空間隔離の壁だってこれじゃ持たないぞ!」
〈余とて手をこまねいている訳ではない! もう少し……もう少しでカルチュアの概念に干渉できる……そうか!〉
「なんだ!? 何か分かったなら早くしろ! げっ!」
一番内側を守っていた最後の壁が、ガラガラと音を立てて崩壊していった。
「あ、だめだ……もう立っていられねーから、寝る」
膝をつきうなだれるフルグライトさん。
座り込み諦めたように息をついているマリンさん。
仰向けになって寝息を立て始めた(寝るの早っ)ジルコンさん。
頼りになりそうな三人が戦線離脱して、残るは新人二人と一匹。
それと、大魔王っぽい何か。
〈おい、セディ。貴様、余に対する態度がぞんざいになっておらんか?〉
「……そんなこと言っている場合じゃないです。この状況を何とかしてくださいっ!」
カルチュアの神とやらの圧が再びかかり始めたので、思わず内心で愚痴ってしまった。
大魔王の方は、後で白黒つけるからな、と言いおいて、こちらに指示を飛ばす。
〈スラヤミィ! インフィコアにセディが貯めたエネルギーを使え!〉
「ど、どうやってっスか? 確かに結構な量があるっスけど、ただこれをぶつけても一時しのぎにしかならないと思うっスよ?」
〈愛と友情と正義だ〉
「「「はぁ?」」っス?」
三人(二人と一匹)同時、疑問の声が重なった。
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