第4話 『大欠伸』
アリス坊ちゃんについて庭に来たっす。
「サンプルが少ない…
とりあえず、ジャバ!お前のスキルからいくぞ!!」
「はいっす!」
坊ちゃんの事なんで言うと思ったっす。
「お前のスキルは『大欠伸』で間違い無いな。」
「はいっす!アクビがすげぇ〜出るスキルっす!
普段は頑張ってアクビを抑えてるっす。」
「よし!抑えるな。思いっきりアクビをしろ!そして息を止めろ!!」
難しいっすね…まぁやってみるっす!
ふわあぁぁぁぁっ…
「凄まじいアクビだ、まるで空気が薄くなったようだ。
それで庭石を持ち上げてみろ!」
いや、こんな大岩持ち上がるはずが…
ヒョイ
ウソ!!持ち上がったっす!
「これ…」
ズズンッ!!
「あれ、力が抜けるっす…」
「オレのスキルで『大欠伸』の基本性能は解っている元々強い筋繊維を持ってるが、体内の酸素量が足らず力が出なかったのだ。
アクビの後の酸素量が増えた状態のみ本来の力が発揮できるのだ。
当然息を吐いて体内の酸素量が減れば筋力が維持出来ないのだ。」
ウチのスキルにそんな秘密があったなんて初耳っす。
「お前のことだ、アクビの後もすぐ息を吐いて力に気づかなかっただろう。
本来『職業』のあるものは『スキル』の使い方を『職業』が教えてくれるのだ。
しかしハズレスキル持ちは自分で考えて使うしかないのだ。
オレは正しく使えれば普通のスキルより優れた力を発揮出来る物もあると思っている。」
「びっくりしたっす!ウチにこんな力があるとは思わなかったっす!
でもアリス坊ちゃんスキル使うと『何々なのだ』って断言するのが増えてないっすか?」
「えっ、ウソ…
オレそんな言い方してた!?」
まあ、坊ちゃんもまだ『スキル』に振り回されてるっすねぇ。
「その内なおるっすよ。
それより基本性能っすか?まだなんかあるんすか?」
「今のは『欠伸』スキルを過去に持ってた人が残した本を読んだ事のある人の知識だ。
『大欠伸』は持ってた記録も知ってる人の知識も無い。
その先があるはずだ。楽しみだぜ!」
ほんとハズレスキルが好きなんすね。
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