第40話小さな喜びの大切さ
NHKのYouTubeチャンネルで「中高年の心の危機」と題して、中高年でうつ病になる人の特集をやっていた。
とある50代の男性。大学生の時の研究課題である物理の理論について世界で認められたいと思い、長年研究を続けるかたわら、子供を含め、家族を養っていかなければならず、企業や大学講師として働いてきた。
だが、子供も自立し、自分を振り返ってみると、研究での成果はほとんどなく、周りは大学教授などになっている。そんな人と自分を比べて、自信をなくし、次第にうつ病になっていった。
次は50代の女性。働きながら夫の親の介護をしつつ、子育てをしてきた。しかし、子供も自立した頃、仕事の技術革新についていけず、嫌になって退社。その後は、家事をしながら家に引きこもりがちな生活。そしてうつ病に。
う~ん、この二人のケースを見ていると、どうもマジメ過ぎるのではと思ってしまう。二人に共通するのは、すごく周りの人と自分を比較して落ち込むということだ。
いやいや、二人とも素晴らしく一生懸命生きてらっしゃる。はたから見ていると、どうしてそんなに自分に自信が持てないのか良く分からない。
自分を無理に追い込み過ぎるのだ。人生って、何か成果を残すことばかりが価値あるものでもない。
「生きてるだけで丸儲け」という言葉が私は好きなのだが、本当にそう思う。
仕事が終わった後のお茶の一杯が美味しかったり、天気がよくて洗濯物がよく乾いたり、美味しい惣菜の特売をやっているのを見つけたり。
生きているうえで、ささやかな楽しみや喜びってあるものだ。
そういう小さな楽しみを心から喜べる人間であれば、そんなに自分を不幸に感じないと思うのだが。
日常のなにげない喜び、そういったものに目を向けられる人間でありたい。
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