第4話 解決策

「アサヒ、起きれるか?」

 隣から自分を呼ぶ声がする。ん……と身動ぎし、目を薄く開く。視線の先には目を輝かせているイヴァン。

 起きてぼんやりした頭のまま話を聞くと、その内容は俺の夢遊病に関するものだった。

 いつも俺は眠って少しすると、外に出ようとするらしく、イヴァンが抱きしめて止めているのだと言う。しかし昨晩はベッドから抜け出そうとすらしなかったようだ。の

 毎晩、イヴァンが抱き留めてくれてたのか。

 新たな事実に驚きと申し訳なさを感じつつ、俺は夢遊病の新たな対策となる情報が聞けるとドキドキした。

「つまり毎晩セックスすればいい」

「え……?」

 名案とばかりに頷くイヴァンに無理だと告げる。

「愛し合えて、安心して眠れて、一石二鳥だな!」

 返ってきたのは眩しいほどの笑顔。

 毎晩って……俺、本当に死んじゃうよ。

 顔を引きつらせながら、別の案を提案するために起きたての頭をフル活動させた。

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