第181話
「話、聞いてよ」
押されて痛い肩を手で押さえ、そう冷静にわたしも言う。
あれは、違うんだ。
確かにわたしは、いいよと言ったけどそれは嘘で。
その男の子に彼女がいることを知っていたから、そう言ったんだ。
予想通り男の子は「本当に好きだから」って言ったけどわたしはそれを聞いて気持ち悪かった。
彼女がいるのにって。
本当に好きなんて嘘だって。
下心が見え見えだと思った。
だからその言葉を聞いてすぐに、「気持ち悪い」って言いその男の子の前から去った。
そういう男が大嫌いだから。
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