第4話 As I please
☆
遂に叶った。
これが究極のラブだ。
そう思いながら私は笑みを浮かべる。
勝った。全てに。
私は貴方を絶対に逃さないから。
考えながら私はお兄ちゃんを見る。
お兄ちゃんは私をチラチラ見てくる。
えへへ。
にしてもキスまでしちゃった。
こんなに彼が愛おしく感じるとは思わなかった。
だからついつい盛り上がってキスをしてしまった。
私はお兄ちゃんが異性の一人として大好きだ。
あの時から全てが変わった。
錆びついた歯車が動き出したのだ。
全ての錆に油が注がれる様に軽やかに。
「...その。...星空」
「うん?なーに?お兄ちゃん」
「...お前はあくまで中学生だ。...そしてまだお前は15歳だ。...俺なんかと付き合うには...」
「ん?15歳だから?付き合ったらダメっていう事はないよ。だって15歳で学生同士で性行為をしている人を知っているし」
「...!?」
その目は私を驚愕の眼差しで見てくる。
私はその顔を愛おしく思いながらその腕に自らの腕を絡ませる。
にしても良かった。
こうして告白したから一緒に動ける。
こういう事が出来るのだから。
「お、おい。人の視線が...」
「気にしない気にしない。学生同士なんだから」
「し、しかし」
「それとも私みたいな彼女は嫌?」
「い、嫌とかじゃないけど。無理がある」
「無理?何処が?さっきも言ったけど私は中学3年生。もう恋愛対象だよね」
「まだ付き合うと返事はしてない」
「そうだね。だけど私はお兄ちゃんのものだし」
私は笑顔になりながらお兄ちゃんを見る。
するとお兄ちゃんは顔を引き攣らせながら横を向いた。
胸を当てている事に気がついた様だ。
まあ胸ぐらい擦り減るもんでもないしね。
「私はあくまでお兄ちゃんが好きなの。だから気にしない気にしない」
「兄妹だぞオイ」
「血が繋がってないんだよねぇ」
「...し、しかし兄妹だ」
「ん?気にしない気にしない」
そして私はお兄ちゃんに擦り寄る。
ビクビクとしている。
私は笑顔になりながらそのまま擦り寄る。
それから周りを見渡すと丁度、商店街に来た。
「お兄ちゃん。雑貨屋に行かない?」
「あ、ああ。あそこのか」
「そうそう」
「...まあその。良いぞ」
「そうだよねぇ。そうこないと」
私は鼻歌混じりにその雑貨屋に寄る。
それから自動ドアを開けてから店内に入る。
するとそこにおばさんが居た。
富子さん。
「あらあら。ようこそねぇ。星空ちゃん...あれ?その方は?」
「私の彼氏です」
「嘘吐くな。...俺は佐野島晴人です。コイツの兄です」
「あ。噂の。血が繋がってらっしゃらないのに良い彼氏さんって聞いているわよ」
「...オイ。星空?何を言った」
「私の彼氏」
「息を吐く様な嘘を吐くな。...というかそういう系の噂をばら撒いたのか!?」
「そうだね」
全ては作戦通り。
そう思いながら私は富子さんを見る。
富子さんは微笑ましく私を見る。
すると自動ドアが開いて近所の魚屋さん。
それから肉屋さんがやって来る。
おじさんとおばさん。
山口さんと豊島さんである。
「おい聞いたぞぉ。星空ちゃん。遂に彼氏がこの商店街に降臨ってな」
「そうそう。富子さんから聞いたわよ」
「えへへ。そうなんです。遂に登場でーす」
「ふ、ふざけるな星空!?全く!」
「私は嘘は吐いてないよ」
そうだよね。
私はこの場所にお兄ちゃんを連れて来たのは。
全てを叶える為だ。
証人を作る為である。
その為にこの場所にお兄ちゃんを連れて来た。
当然お兄ちゃんの浮気した彼女の事を聞かれたが適当に言い繕った。
「...ほ、星空。冗談がすぎる」
「えへへ」
そして私はイチャイチャする。
全ては私のものだ。
晴人くんは私のものだ。
そう思いながら。
☆
何が起こっているか分からないが。
晴人くんが別の女子とイチャイチャしている。
衝撃の事に私は自転車を倒した。
それからガシャーンと音が鳴るがそんなことを気にしている場合じゃない。
誰だ奴は、と思いながら耳を澄ます。
するとその女性が誰かが判った。
「...妹...か。そう。血が繋がってない。ふーん」
私はかなり深刻な感じの顔をする。
というかまあ。
笑みが蝋燭の灯火の様にフッと消えた。
それから私は倒した自転車を起き上がらせてからそのままその場を後にする。
そうかまだ邪魔する女子が居たか。
思いながら私は考え込む。
彼女も性奴隷にするか。
「...潰しても潰しても邪魔が入るね。やっぱり。...仕方がないな」
そう思いながら私は風を切ってから家に帰る。
さてどうエッチな料理にしてやろうか。
私の前に立ちはだかる敵は全て許さない。
浮気だろうが何だろうが。
彼の彼女は私だけだ。
「...うふふ」
私はそう心の中で歪ませた笑顔で居ながらそのまま隠し撮ったその写真を見る。
イチャイチャしやがって...私が見ないと思っているのか。
安心しているのか?
だけどそれも終わりだよ。
「...」
するとスマホが震えた。
その番号は朧だった。
私は電話にゆっくり出る。
そして朧が控えめで電話に出る。
「...も、もしもし。楓」
「朧。どうしたの?」
「...そ、その。...えっと。...その。聞いた?」
「...聞いたってのは?」
「い、いや。...その。彼に彼女が居るみたい」
「...そうだね。知ってる。まあ許さないけどね」
「そ、そう」
朧は控えめに私に言葉を発してくる。
私はそんな朧の言葉に目の前を真顔で見る。
そして思い付いた。
そうか朧もこの作戦に使えば良いんだな、と。
利用させてもらおう。
私に従属する性奴隷として...義妹さんを洗脳する為に。
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