第40話


「ふふ、瑠璃さん。好きな人の事は、何でも知りたいもんなんですよ?」




くつりと、翡翠は笑った。



「例え、瑠璃さんの打算や計算の醜い感情でさえ、愛おしく思えるんです。」



「っっ、馬鹿、よ。」




目を伏せる。





こんな自分の事なんて、ばっさりと切り捨てて、自由を得れば良いのに。





本当に、貴方達は馬鹿。





でもね?




「馬鹿で結構ですよ、瑠璃さん。」




そんな彼等の執着を嬉しく思ってしまう自分が、一番に愚かで、馬鹿なんだ。

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