第11話


父親は、眩しいくらい偉大で。



憧れた。



あの強さに、嫉妬して、恐怖する。




自分は、あんな風になれない。




『綾部さんは、遼を嫌いにならないよ?』



『っっ、』



……、そう、だ。



怖かった。




自分の不用意な行動が、ますます千里を追い詰めてしまう事が。




『何かを言ってくれなきゃ、動きようがねぇ。あいつは、俺らを頼らねぇからな。』



ヘドが出る。



全部が、自分を守る為。

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