第8話


『どうして?』



瑠璃の不満げな雰囲気が、電話越しからありありと伝わってくる。



でも、認められない。



『お前の身が、危険だからだ。』




瑠璃の事が、大切だから。



『危険?』



鼻で、瑠璃は笑った。



『危険な事は、何一つないわ。』



『そんな事、分からないだろ?』



瑠璃は、紫龍の弱点だ。



敵は間違いなく、絶対に狙ってくる。



『なら、綾部さんを見捨てるの?』

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